朝鮮半島の緊張緩和に向け、軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)で断続的に行われていた韓国と北朝鮮の高官協議は25日未明、関係改善のための当局者会談の早期開催など6項目で合意し、軍事衝突は回避された。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記に比べて、強硬姿勢を貫いた韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が評価された面もあるが、今後、米国と中国の激しい板挟みに遭いそうだ。
「新しい南北関係をつくる契機になることを期待する」
韓国の金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長は22日から断続的に計43時間以上行われた南北協議を終え、こう語ったという。聯合ニュース(日本語版)が25日早朝、配信した。
同室長の発表によると、北朝鮮は、韓国兵士2人が負傷した地雷事件について遺憾を表明。そのうえで双方は、(1)南北関係改善のための当局者会談をソウルか平壌で早期に開催する(2)韓国は、25日正午に全11カ所の政治宣伝放送を中断する(3)同時に北朝鮮は準戦時状態を解除する(4)9月初めに南北離散家族再会に向けた南北赤十字実務者協議を開催する(5)多様な分野での民間交流を活性化する−ことで合意した。
最高潮に達していた軍事的な緊張状態は解消される見通しとなった。
聯合ニュースによると、金室長は「これまで北はわが国民の不安と危機感を高め、譲歩を引き出したが、(朴政権では)それが通じないことを北も確認したと思う」と自信を見せたが、今回の合意をどう分析すべきなのか。