韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の支持率が、42週間ぶりに5割を超えた。「離米従中」外交が評価されたというよりは、北京での軍事パレードで、ロシアのプーチン大統領に次ぐ席次を占めたことが“韓国型自尊心”をくすぐった結果だろう。
しかし、反政権サイドには今、すさまじい怨念が渦巻いている。
「独立運動家が出てきたら、鉄パイプを振りかざす対象は自分たちだということを肝に銘じるべきだ」
野党・新政治民主連合の李竜得(イ・ヨンドゥク)最高委員が4日、こう語った。朴氏と、与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表を標的にした発言だ。
最高委員と聞くと「偉そうな存在」に思えるが、韓国の政党には最高委員が5、6人はいる。執行ラインでもなく、「最高」とは肩書用お飾りみたいなものだが、それなりの存在ではある。
その人物が「テロ慫慂(しょうよう=勧奨する)」発言だ。与党はすぐさま「極悪な言語テロは、政治を離れた人格の問題だ」と、これまたすさまじい人格攻撃で反論したが、李氏の発言も実は、金氏の労組攻撃発言への反論だった。
金氏は「強硬な労組が違法ストにふけり、公権力が投入されたら公権力を鉄パイプで殴った。そんなことがなかったら(国民所得は)3万ドル(約357万円)を超えていた」と述べた。経済不振を一部の過激労組のせいだけにした感じが、最大のナショナルセンターである韓国労働組合総連盟(韓国労総)委員長だった李氏を怒らせたのだろう。