【貪る中国】武器も持たない相手を不意打ち 岩礁を実効支配 「スプラトリー諸島海戦」 (1/2ページ)

2015.10.21


激戦から生還した元兵士のズォン・バン・ズン氏=7日、ベトナム・ダナン(松本健吾撮影)【拡大】

★(2)

 「一瞬の出来事だった。声を出す時間さえなかった」

 ズォン・バン・ズン(49)は死線をさまよった瞬間を、こう振り返り、表情を曇らせた。

 1988年3月14日。ベトナム海軍の工兵だったズォンは、スプラトリー(中国名・南沙)諸島のジョンソン南(中国名・赤瓜)礁にいた。2日前に、ベトナムが実効支配をしていたこの岩礁の補強工事の任務を受けたばかりだった。

 2隻の輸送船と戦車揚陸艦に分乗した100人以上のベトナム兵が現地に到着したのは同13日午後4時ごろ。そこには、五星紅旗をはためかせた中国海軍のフリゲート艦3隻が待ち構えていた。

 「中国艦船は、われわれの船を取り囲むような形で止まった。こちらの船に積まれているのは資材ばかり。まともな装備もない、ほとんど丸腰の状態だった」

 にらみ合いは半日続いた。事態が急変したのは14日午前4時ごろだった。

 「仲間たち32人で岩礁に上陸し、ベトナム国旗を立てた。中国軍は気になったが、仲間が『前にも同じような妨害があったが、何も起こらなかった』と言っていた。まさか攻撃はしてこないだろう、と思っていたが…」

 ベトナム兵の動きを確認した中国軍の艦船からスピードボートが出動し、輸送船の周囲をぐるぐると回り始めた。約50人の中国兵を乗せたボート3台はやがて、ベトナム兵が守る岩礁の国旗の方向へと進路を変えた。

 兵団の先頭にいた中国兵がベトナム兵の輪の中に飛び込む。その直後、国旗を守る32人のベトナム兵に向けられた銃口が一斉に火を吹いた。

 

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