韓国の政治家は「妄想」を語り、現実が違ってくると「嘘の言い訳」をして、機を見て虚構に基づく「勝どき」を上げる。が、為政者の発言、当局の発表をチェックすべきマスコミも、輪をかけて妄想に乗り、虚構の勝鬨に欣喜雀躍するのだから救われない。
今回は、韓国型機動ヘリ「スリオン」に関する、中央日報の報道を追ってみた。
《韓国型機動ヘリコプター「スリオン」の開発が完了し、本格的な量産に入る。これで韓国は世界で11番目にヘリコプターを自主開発・生産する国になった。…操縦士2人を含めて18人まで搭乗できる》(2013年3月30日)
読者は、自前の技術による軍用ヘリの開発が成功したと思うはずだ。「自主開発・生産する国になった」のだから。ダメ押し記事が載った。
《スリオンを実戦配置する記念行事が、大統領が参加する中で22日、陸軍航空学教(学校)で開かれた。…20年までに200機余りが供給される》(13年5月23日)
韓国の新聞が「韓国型」と書く場合、核心部分は輸入かライセンス生産だなどと決め込むのは“悪意に満ちた日本の韓国ウオッチャー”であり、韓国の読者は「100%国産」と思い込む。
それなのに、純朴な国民の夢を破るように、次はこんな記事だった。
《スリオンの核心である動力伝達装置が、国産化されていなかったことが明らかになった。技術移転契約をしてから7年経過したが、依然として核心部品全量を海外企業に依存している。監査院は1兆3000億ウォン(約1400億円)が投入された国産化作業が事実上失敗したと見て、調査に着手した》(14年12月13日)