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中国は南シナ海での人工島の構築、東シナ海での海洋プラットホームの建設を進めている。今年は「第一列島線」突破の目標年であったが、目標達成は時間の問題だ。同時に「第二列島線」突破も視野に入っている。
このような状況下でありながら、沖縄では米軍基地を排除する動きを県知事が先頭になって行っている。米軍基地の存在を人権問題、差別問題に置き換えて国連にまで訴えている。国とも徹底抗戦の構えでもある。
米軍基地が県外、海外に移転して平穏が訪れると考えるのは、よほど世界情勢が見えていないか、中国を利する人々の発想と言わなければならない。軍事力が手薄になったところに、別の軍事力が入ってくると考えるのがリアリズムの発想だ。
9月に成立した安全保障関連法に対する、「戦争法」「徴兵制導入」といった反対主張も、中国の動きを意図的に隠したものと言わなければならない。アジアに対して消極的になりつつある米国の心を、いかにつなぎとめるか。そのための同盟強化の措置が、集団的自衛権の行使を一部可能にする安保関連法の1つの目的であるはずだ。このリアルな感覚を、国民の多くが今も持ち合わせないことを憂慮せざるを得ない。
中国は現在の軍事的台頭と相まって、日本に関する「歴史戦」を仕掛けている。ユネスコの世界記憶遺産に「南京大虐殺」文書を登録することに成功した。来年以降、韓国と連携して「従軍慰安婦」の登録をもくろんでいる。また、「南京大虐殺」の追悼記念式典も大々的に行い、国際社会にアピールしている。
中国が歴史問題にこだわるのはなぜか。