韓国世論が、慰安婦問題での日韓合意をめぐって、真っ二つに割れている。中央日報の世論調査(5日、日本語版)で、韓国政府の「日本政府が法的責任を認めた」とする立場について、「同意する」(47・6%)と、「同意しない」(47・9%)が拮抗したのだ。こうしたなか、慰安婦像の移設放置に続き、同国の十八番といえる“前言撤回”がまた浮上した。
朴槿恵(パク・クネ)大統領は5日の閣議で、日韓合意について、「過去の政権が手を付けられなかった難題」の1つに挙げ、その成果を自賛した。だが、韓国世論は混乱しているようだ。
前出の世論調査では、日韓合意で慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決」したことに「同意しない」との回答者が58・2%で、「同意する」は37・3%。韓国政府の交渉結果について「不満足」が53・7%で、「満足」は35・6%だった。
日本がソウルの大使館前の慰安婦像撤去を求めていることについては、移転に反対するとの回答が74・4%に上った。
国民世論の不満は高いようだが、事実上、米国の後ろ盾で行った日韓合意を、韓国政府が守らなければ、国際的信用は地に落ちる。
ところが、隣国は「最終的かつ不可逆的に解決」という国際合意の意味が分かっていないようだ。韓国外務省報道官は5日、韓国女性家族省が昨年から準備を進めている「日本軍慰安婦白書」の発刊は、日韓合意とは「無関係」として予定通り出版されると述べた。
また、慰安婦問題の関連資料を、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の記憶遺産に登録することを目指す韓国・梨花女子大の申恵秀(シン・ヘス)教授は同日、日韓合意と関係なく、5月の締め切りまでに登録申請手続きを行うと表明した。
あきれ果てるしかない人々だ。