【一筆多論】国連事務総長選を盛り上げよう 潘氏の後任の有力候補は「南京大虐殺」の記憶遺産登録で最終判断したユネスコ事務局長 (2/2ページ)

2016.03.09

 ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長(AP=共同)
 ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長(AP=共同)【拡大】

 だが、これを不満とする加盟国が5大国とかけあって譲歩を勝ち取り、昨年9月の総会で、事務総長選びの透明性を高めることが決議された。次期事務総長選びは、総会と安保理が「公示」する形で始まり、現在、出馬を受け付けている。候補者の名前と略歴は事前に開示され、総会で候補者へのヒアリングが行われる。

 全加盟国が、候補者の資質、構想を吟味できるわけだ。信憑(しんぴょう)性に問題のある資料を含む「南京大虐殺文書」をなぜ記憶遺産に認めたのか。中露の軍事パレードへの出席を適切と考えるのか。ボコバ氏は総会で語るべきだ。

 最終的に決定権を握るのが常任理事国であることに変わりはない。だが、ヒアリングなどを通じて、国際世論を形成すれば、5大国もこれを無視できなくなる。「選挙戦」を盛り上げ、5大国が密室で決める慣例を打破したい。

 潘氏まで8人の歴代事務総長は男性ばかりで、「次は女性」のムードになっている。地域別では、やはり過去にない東欧出身者をとの声が強い。9月の総会決議も、トップ人事は性別、地域のバランスが重要と強調した。「東欧の女性」であるボコバ氏は有利だ。

 一方、ドイツ首相を10年以上務め、欧州首脳でも指導力が群を抜くアンゲラ・メルケル氏(61)を推す声も根強い。旧東ドイツ出身だから、東欧加盟国の理解も得やすいというのである。

 中国、ロシアは、世界平和と安全に責任を負う常任理事国とはとても思えない行為が目立つ。次の国連事務総長は5大国に対抗できる「強い人物」であってほしいとの願望が、メルケル氏待望論の背景にあるのではなかろうか。(論説委員)

 

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