片や韓国は、00年に金大中元大統領が平和賞を受賞しているのみで、自然科学分野ではゼロ行進。「21対0」というスコアも韓国で報じられ、ノーベル賞コンプレックスを刺激している。
5月末には聯合ニュースが、トムソン・ロイターのノーベル賞受賞者予測の担当者にインタビューし、「韓国にもノーベル賞級の研究者がいる」と答えたことを報じたばかり。
ネイチャーの記事は現実の厳しさを突きつけた形となったが、韓国メディアでは「指摘の通り」(朝鮮日報)と報じるなど、総じて素直に受け入れる論調が目立った。
韓国問題に詳しい週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏はこう語る。
「日本が基礎科学への投資を始めたのは明治維新の1868年からで、それから約80年後に湯川秀樹博士がノーベル賞を受賞した。韓国が本格的に基礎科学投資に着手したのは77年からであり、科学研究が世界レベルになるまでに時間を要するのもやむを得ない。ことさらに日本をライバル視する必要はないのではないか」