韓国サムスン電子の最新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」のバッテリーが「充電中に爆発した」という指摘があった問題で、同社は「欠陥が確認された」として、約250万台のリコール(無料の回収・修理)を発表した。米アップルや中国メーカーとのシェア争いで巻き返そうと投入した最新機種の大規模リコールは、ブランドイメージを悪化させる恐れがある。来週にも米アップルが「iPhone(アイフォーン)」の新機種を発表するとみられるなか、最悪のタイミングといえ、朴槿恵(パク・クネ)大統領が舵取りする韓国経済にも打撃となりそうだ。
インターネット上に投稿された、真っ黒に焦げているギャラクシーノート7の映像や動画。サムスン側は2日になって、バッテリーの欠陥によるものだと認め、販売済みや在庫商品を交換すると明らかにした。
サムスンの高東真(コ・ドンジン)無線事業部長は2日の記者会見で、バッテリーの製造工程で問題が確認されたとして「不便を被ったお客さまには大変申し訳ない」と謝罪した。「消費者の安全を最優先し、販売を中断して新製品と交換する」と表明した。
原因調査の結果については、韓国産業通商資源省の傘下機関も同社に報告を求めている。
同社は、不具合に関する届け出は1日までに国内外から計35件寄せられ、欠陥バッテリーが搭載された割合は「100万台のうち24台程度」としている。
携帯電話のバッテリーをめぐっては、かつて日本の電池メーカーが100万台のうち20台の比率で欠陥が見つかり、高水準だと批判を受けたことがある。
ギャラクシーノート7は、大画面スマホ「ギャラクシーノート」シリーズの最新の主力機種として8月2日に米ニューヨークでお披露目した。同月19日の発売以降、韓国のほか米国、カナダなど約10カ国で販売され、計約250万台が流通しているとみられる。日本での発売時期は未定。