米韓両軍が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に“懲罰”を与える。朝鮮半島周辺で10日から大規模な合同演習を行うが、「これ以上、核とミサイル開発は許さない」という事実上の最後通告といえるのだ。正恩氏の暴走を放置する、習近平国家主席率いる中国に対しても、「北朝鮮を押さえ込め」という圧力をかけていると分析する識者もいる。
注目の合同演習は、朝鮮半島情勢が緊迫するなか、韓国西方の黄海や南部の済州(チェジュ)島沖合で行われる。2月に韓国海軍の基地が設けられた済州島を拠点に、米海軍原子力空母「ロナルド・レーガン」(全長約333メートル、乗員約5750人)などが参加する。
北朝鮮は今年1月と9月、国連安保理決議違反である4回目と5回目の核実験を強行し、計21発もの弾道ミサイルを発射した。この中には、米グアムも射程に収めるとされる、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程2500〜4000キロ)も含まれている。
演習が始まる「10日」という日程には、大きな意味がある。この日は「朝鮮労働党の創建記念日」にあたり、北朝鮮が再び、挑発行動に出る公算が大きいとみられているのだ。