【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】
韓国の次期大統領候補として潘基文・国連事務総長人気が独走中だ。外交官出身の潘氏に政治経験はないが、国連事務総長は韓国では「世界の大統領」といった認識で、潘氏は韓国史上、“最高の出世頭”として前人気が高まる一方なのだ。潘氏が9月中旬に「年明け帰国」を予告するや、「すわっ、出馬宣言」と政界が大騒ぎになった。一方で現職、朴槿恵大統領の支持率はジワジワと下落中で、韓国は来年末の大統領選に向け、早くも政治の季節に突入している。
■潘基文氏、ダントツ人気のそのワケは?
韓国で最近行われた複数の「望ましい大統領候補」世論調査で潘氏は軒並みトップを独占した。
朝鮮日報の世論調査では潘基文氏(27・4%)、文在寅氏(最大野党の前代表、16・5%)、安哲秀氏(第2野党の前代表、8・2%)▼中央日報の調査では潘基文氏(32・5%)、文在寅氏(17・3%)、安哲秀氏(8・1%)▼毎日経済新聞の調査では潘基文氏(23・7%)、文在寅氏(18・5%)、安哲秀氏(10・3%)などだ。好感度を問う回答では60%以上を記録するなど、他候補を圧倒している。
生まれ育った韓国中部、忠清北道では11月初旬、潘氏の政治ファンクラブが創立大会を開く予定だ。韓国では大統領選前に支持者が「誰々を愛する会」といったファンクラブ風の支持団体を作るのが近年の傾向で、これまでにも「ノサモ(盧武鉉を愛する会)」や「パクサモ(朴槿恵を愛する会)」が有名。潘氏のファンクラブは「蛍(パンディップリ)」という名前だ。