即時に朴氏が辞任しても大統領選に対応できる野党と、一定の準備期間がほしい与党では利害が異なるため、同じ政権移譲案を描けるはずもない。そして、与党から28人以上が賛同しない限り、弾劾訴追案が可決される見通しはない。朴氏の任期前の退陣表明は、弾劾をつぶすための「自爆テロ」だった可能性があるのだ。
ただ、そんな朴氏の魂胆は見透かされているようだ。セヌリ党の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)代表は11月30日に「大統領が任期途中の退陣を表明したからには、国会が答えを出すべきだ」と野党側に協議を呼びかけたが、すげなく拒否されたのだ。同日に開いた会合で、野党3党の代表は、12月上旬にも弾劾訴追案の採決を目指す方針で一致した。
一方、韓国メディアによると、セヌリ党は1日、来年4月末の朴氏退陣、同年6月末に次期大統領選挙が行われるよう目指す方針で一致した。
同党内で朴氏と距離を置く非主流派の金武星(キム・ムソン)前代表は「来年4月末の大統領の退陣が決まれば、弾劾に行かない」と述べた。ただ、金氏は「与野党合意で4月30日までの退陣が受け入れられず、合意がまとまらなければ、弾劾に賛同するしかない」とも語った。