米共和党のドナルド・トランプ氏(70)が20日(日本時間21日未明)、首都ワシントンの連邦議会議事堂で宣誓し、第45代大統領に就任した。各地で激しい反トランプデモが起こる異例な状況で誕生した新大統領は、就任演説で「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」をぶち上げ、「イスラム国(IS)」などイスラム過激派の殲滅を明言した。真の「敵」として中国に標的を定めており、日本への要求が強まるのは不可避だ。就任早々に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱を表明するなど、世界の秩序を揺さぶる混沌の4年間がスタートした。
何から何まで異例ずくめだ。実業家出身で、公職経験や軍歴のない初めての大統領で、1期目としては最高齢となった。
トランプ氏は演説で、雇用創出や国境管理強化などを通じて「米国を再び誇り高く、安全で偉大な国にする」「権力をワシントンからあなたたちに移行する」と強調した。
国内の融和を訴える一方で、対外的な敵として、イスラム過激派に言及した。
「イスラム過激派によるテロを地球上から根絶させる」と明言。ホワイトハウスのホームページで発表した主要政策でも、外交に関する項目でISやイスラム過激派を打ち負かすことが最優先課題だとした。