ドナルド・トランプ米大統領が難民受け入れ凍結やシリアなどイスラム圏7カ国からの入国禁止を決めた大統領令をめぐり、世界各国から批判の声が強まっている。米国内での抗議デモに絡み、日本航空が注意を呼びかける事態となった。
ロイターによると、ドイツのメルケル首相は、テロとの戦いを(大統領令の)言い訳にはできないと批判した。
ドイツとフランスの外相は共同記者会見で大統領令への懸念を表明、英国のジョンソン外相も大統領令を非難した。
中東では、米国と同盟関係にあるサウジアラビアやエジプトが加盟するアラブ連盟も、受け入れ制限は正当化できないと懸念を表明した。
米国内では市民らの大規模な抗議デモが首都やロサンゼルスなど各地で続いた。ホワイトハウス当局者は29日朝、28日に拘束した109人のうち20〜30人をなお拘束中だとした。
米国の空港で抗議デモが広がっていることを受け、日航は30日、米国からの便を利用する場合は「大変な混雑が予想される。時間に十分な余裕を持ってお越しください」との注意喚起をホームページ上に掲載した。米国便を運航している日本の航空会社では、搭乗客が米国への入国を拒否されるなどの影響はこれまで把握していないという。
CNNテレビは、トランプ政権がテロリスト流入を防ぐため、外国人が入国する際、インターネット閲覧記録や携帯電話の連絡先の開示を求める案を検討中だと報じた。拒否すれば入国が許可されない可能性があるとしているが、検討は予備的な段階で、日本人が含まれるかなど詳細は不明。
身内である共和党からも、重鎮のマケイン上院議員がイスラム教徒排斥は「テロとの戦いで自傷行為になる」と指摘するなど総スカンの状況だ。