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間もなく第2次安倍晋三内閣が発足してから1年が経過する。日本を衰退から救い、V字回復を図るというのが政権の最大の課題であったが、順調に進んでいるように見える。
経済・金融政策「アベノミクス」で景気は回復基調。円安で輸出産業は好調だし、株高で企業や投資家も利益を出している。中小企業への波及はまだだが、次第に好影響を与えるだろう。10月には来年4月の消費税増税を決断。景気を冷やすかどうかは未知数だ。アベノミクスは早くに失速するとの見方もあったが、極めて順調に推移している。
外交も順調だ。中国・韓国との首脳会談は実現していないが、安倍首相はその他の普遍的価値観を共有する国とは旺盛に首脳外交をした。東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国すべてを訪問し、今月には東京で首脳会議が開催される。
中国・韓国は「安倍政権で日本はアジアから孤立する」と述べていたが、日本はASEANだけでなく、インド、オーストラリアなどとの関係を強化し、いずれも日本の進める集団的自衛権行使を可能にする憲法解釈の変更に支持を得た。孤立したのは日本ではなく、中国・韓国であることがはっきりしたということだ。
中国・韓国は安倍政権の力を削ごうと歴史問題を持ち出しては、国際社会に向けて日本の批判をしてきた。当初は真に受けていた米国も最近は認識を変え始めたようだ。