東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)で、自民党が小泉進次郎内閣府兼復興政務官への対応に苦慮している。進次郎氏は党が支援を決めた舛添要一元厚生労働相を応援するどころか、「応援する大義はない」と批判を繰り返しているからだ。父の小泉純一郎元首相も「脱原発」を旗印に出馬表明した細川護煕(もりひろ)元首相への全面支援を宣言しており、自民党執行部にとっては親子ともども頭痛のタネになっている。(力武崇樹)
「(舛添氏は)野党で一番苦しかったときに『自民党の歴史的使命は終わった』と党を出た。ずっと離れずにいた自民党員、有権者がこの姿勢に『自民党の背骨』があると見るかどうかだ」
進次郎氏は17日の党青年局の研修会でこう語り、舛添氏を支援しない方針を改めて強調した。
舛添氏は自民党が下野した後の平成22年に離党し、除名処分を受けた。進次郎氏の発言は当時の「遺恨」を取り上げたものだ。
しかし、進次郎氏にいわれるまでもなく、舛添氏支援に抵抗感を抱くのは他の議員も同様だ。
都知事選勝利のために遺恨をのみ込んで支援を決めただけに、研修会では東京都議から「進次郎氏の発言は影響が大きい。発言を慎んでほしい」と非難の声が上がった。
これに対しては、進次郎氏も「(これからは)政務官としての職責を淡々とこなす」と引き取ったが、「さまざまな思いをぶつけるのも所属議員の務め」とも語り、持論を曲げなかった。