党執行部は当初、進次郎氏の人気の高さを見込んで、舛添氏の応援弁士に投入することも検討していた。しかし、支援どころか、進次郎氏は「舛添不支持」発言を繰り返している。
選対幹部は「進次郎氏は内閣の一員だ。政府・自民党の方針に反するべきではない」として菅義偉(すが・よしひで)官房長官に注意するよう求めたが、菅氏は16日の記者会見で「(舛添氏を)応援してもらえればありがたい」と述べたのみ。そもそも党執行部も、進次郎氏に翻意を促す気配はない。
舛添氏の除名処分を取り消さず、都連推薦にとどめるなどした党の曖昧な対応への後ろめたさも一因だが、進次郎氏が舛添氏批判を繰り返すのを放置し続ければ選挙戦にも影響が出かねない。
業を煮やしているのが、候補者選定で中心的役割を担った萩生田(はぎうだ)光一総裁特別補佐(衆院東京24区)だ。16日の都連会合では「都連が望まない候補者を応援する自民党国会議員があってはならない」と進次郎氏を強く牽制(けんせい)した。
進次郎氏は今のところ、「父は父、私は私」として細川氏を応援しない考えを示している。党執行部は進次郎氏を処分することで同情票が細川陣営に流れる恐れもあるため、静観する構えだが、進次郎氏に対しては「いずれ自民党を背負うつもりなら、組織人としての対応を学ばせるべきではないか」(幹部)との厳しい声もあがっている。