★(3)
中東専門家の池内恵東大准教授が「Lexus−A(レクサスA)」という新語を造った。「League of Ex US Allies(元米国同盟国連盟)」の略語で、サウジアラビア、トルコ、イスラエル、日本、英国がメンバーだという。
政治リスク分析の米ユーラシア・グループ(イアン・ブレマ社長)がまとめた、2014年の10大リスクのトップは「米国の困難な同盟国、JIBs(ジブス)」だった。日本、イスラエル、英国の3カ国を指す。昨年は5位だったのがトップに躍り出た。
昨年の米外交は同盟国との関係悪化が特徴だ。
シリアの化学兵器問題で米国は軍事介入に二の足を踏んだうえ、イランとは核疑惑が残る形で関係改善に進んだ。サウジは意趣返しのように国連安保理非常任理事国辞退を突如表明した。反イランのアラブ諸国は、米国の中東への影響力が低下するのを見てロシアや中国に接近し始めた。エジプトはロシアと防衛協力で閣僚級協議を、中国とは経済協力を模索した。
イスラエルは反イランのアラブ原油国に接近。ヨルダンの原発建設ではロシア企業が優先交渉権を取得した。イエメンも中国からインフラ整備や軍への資金援助を受ける。シリアからの避難民流入に悩むトルコも、中国企業と防空ミサイルの調達交渉を始めた。この企業はイランやシリアと取引し、米国の制裁下にある。