鳩山由紀夫元首相の暴走が止まらない。ロシアが軍事力を背景に併合したウクライナ南部クリミア半島を訪問し、日本政府や欧米諸国の「国際法違反」という見解と180度違う発言を重ねているのだ。米国務省当局者が「クレイジー」とあきれる実兄について、鳩山邦夫元総務相が、夕刊フジの単独インタビューで一刀両断した。
「国益というものをどう考えているのか。イランを訪れたときもそうだったが、なぜこんなに突っ走ってしまうのか」「口をききたくない」
邦夫氏は、怒りと困惑が混在したような表情でこう切り出した。
鳩山家とロシアとの関係は深い。日本と旧ソ連が国交を回復した日ソ共同宣言(1956年)は、鳩山兄弟の祖父、鳩山一郎元首相が署名した。ロシアでは「鳩山」の名は特別なものとして受け止められてきた。
ところが、由紀夫氏の一連の言動はロシアに都合良く利用され、バカにされている面もある。
邦夫氏は「国益だけでなく、鳩山家の信用をも傷つけた」と憤り、こう続けた。
「私は日本・ロシア協会の会長として、安倍晋三首相にも報告や相談をしながら、日露関係の発展に取り組んでいる。しかし、ロシア側から『あなたはクリミア併合を認めないのか』『兄さんはあのように言っているんだ』といわれたら、どう言葉を返せばいいのか。日露関係のことでは兄とは口をききたくない」