T33練習機、墜落前13秒間の壮絶なる物語 (1/2ページ)

2015.03.18


航空自衛隊のT33ジェット練習機【拡大】

 日本の防空のため鋭い目を光らせている航空自衛隊であるが、騒音の問題などで地域の人々に細やかな目配りしていることを前回書いた。入間基地をめぐるエピソードはエアコン設置を問う住民投票以外にもある。

 1999年11月22日、空自入間基地所属のT33練習機が墜落し、パイロット2人が殉職した。その際に高圧電線を切断して、約80万世帯が停電となる事故が発生した。翌朝の新聞はこれを大々的に報じ、「また自衛隊事故」「東京・埼玉で停電」と一斉にたたき、防衛庁長官が謝罪する事態となった。

 「パイロットが未熟だったのではないか」

 そんな批判を明確に覆すことになったのは、1年後の空自事故調査委員会の報告書だった。

 エンジントラブルが発生し、ベイルアウト(緊急脱出)を管制に告げた機長であったが、なぜかすぐに脱出せず、13秒後に再び同じ言葉を叫んでいたのである。この間に何が起こっていたのか−。

 2人はベテランパイロットで、脱出可能な飛行高度は熟知していた。1度目の脱出宣言地点は高度360メートル、パラシュートが開く、ぎりぎりの高さだった。しかし、2人の眼下に見えたのは狭山市の住宅街、そこには人々の平穏な暮らしがある。

 「空き地を探すんだ!」

 とにかく市街地を避けようとしたのだろう、急降下し制御不能となった機体は河川敷に向かった。

 「ベイルアウト!」

 その時、高度は70メートルになっていた。もはや脱出は不可能であった。しかし、機体が電線を突き破り墜落するなか、2人は脱出を試みパラシュートが完全に開かないまま地面にたたきつけられ、死亡した。

 

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