敵味方なく戦没者を弔った松井大将 (2/2ページ)

2015.10.14


松井石根大将【拡大】

 自衛隊で数千〜数万の人員を束ねることになるかもしれない幹部としては、とても人ごととは思えなかった。

 当時、戦争に突き進むムーブメントは市井にこそあった。その熱狂が終わったとき、インドのパール判事が戦勝国による一方的な断罪に異を唱えても耳を傾けることはなかった。そのパール判事も無念の思いで興亜観音を訪れたという。

 移り気な人心による軍に対する評価は、いつの時代も適正ではない。戦場においても、敵味方なく手厚く弔った事実など知る人は少ない。日中の和平を進めようとし、巣鴨プリズンに赴く日まで、夫人とともに毎日この山に登り読経したという松井大将を日本人は「戦犯」と呼び続けている。

 誰よりも平和を願い、「国民の理解」を強く意識する自衛隊にとって、ここはいろいろなことを考えさせられる場所だ。

 ■桜林美佐(さくらばやし・みさ) 1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作後、ジャーナリストに。防衛・安全保障問題を取材・執筆。著書に「日本に自衛隊がいてよかった」(産経新聞出版)、「武器輸出だけでは防衛産業は守れない」(並木書房)など。

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。