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参院選は政権選択の選挙ではないから、「公約をマニフェストとは言わない」という政党もある。確かに、参院に対し、衆院には優越性がある。特に、総理大臣の指名や予算案の取り扱いなど重要な意思決定において、結果として衆院の意思が尊重される。
しかし、日本の国会は二院制である以上、参院での議論が重要ではないわけがない。
憲法改正のための国会での発議は、(衆参)各議院の総議員の3分の2以上の賛成がなければできない。衆参の優劣はない。参院のあり方で改善すべきこともあるが、「政権選択ではない」という意識で、この選挙戦を戦っているのであれば、無責任ではないだろうか。
実際、一部野党は「改憲勢力3分の2以上の議席獲得の阻止」が目標であり、憲法改正を強く意識していることがうかがえる。憲法について問うことこそが、国政選挙の重要な争点である。
占領軍の作った憲法を、このままいつまでも一字一句変えないことが正しいのか、自分の国の憲法は自分たちで作るという当たり前のことをするのが正しいのか、国民はしっかり考えるべきである。
私が日本の現状から重要であると思うことは、1つは前述した憲法についてだ。そして、もう1つは、少子高齢社会の実態に合わせた社会保障制度の構築である。
日本の高齢化率は26・7%。11年前から世界一だ。高齢化率14%超で「高齢社会」と言われていることから、日本は「超高齢社会」であるということだ。