第24回参院選が10日投開票され、安倍晋三首相率いる自民党は56議席を獲得し、公明党の議席と合わせて目標とした「改選議席の過半数」(61議席)を上回り、大勝した。憲法改正に賛同する改憲勢力も、非改選と合わせて国会発議に必要な3分の2(162議席)超となった。今後の焦点は、東京都知事選(14日告示、31日投開票)とともに、安倍首相が断行する内閣改造・党役員人事に移った。幹事長や外相など主要ポストの行方や、国民的人気が高い小泉進次郎農林部会長や、三原じゅん子参院議員の入閣が注目されそうだ。
「選挙結果は『経済政策を力強く進めよ』というものだ。そのために、新たな強力な布陣をつくりたい。(内閣改造を)いつ、どのように行うかについては、与党と相談したい」
安倍首相は10日夜、党本部でこう語った。
自民党(改選50)は、32ある1人区で「21勝11敗」とし、東京や神奈川では2議席獲得した。非改選議席と合わせて121となったが、27年ぶりの単独過半数(過半数122)には、わずかに達しなかった。
山口那津男代表率いる公明党(同9)は、選挙区と比例代表で計14議席と躍進した。
一方、野党は厳しい。
岡田克也代表率いる民進党は、3年前の17議席は上回ったが、改選43議席から議席を大きく減らして計32議席。
志位和夫委員長の共産党(同3)は計6議席。党幹部の「防衛費=人を殺すための予算」発言が飛び出し、綱領の「自衛隊解消」「日米安保廃棄」が再注目された。
今後、永田町が注目するのは、参院選圧勝でフリーハンドを握った安倍首相が断行する内閣改造・党役員人事だ。
今回の選挙で、現職閣僚の岩城光英法相(福島選挙区)と、島尻安伊子沖縄北方担当相(沖縄選挙区)が落選した。当面、2人は続投する。