貴ノ岩、マスコミ包囲網突破で九州“脱出”か 貴乃花親方と反撃準備、“第3の診断書”提出も焦点に

貴ノ岩もやっと解放か

 元横綱日馬富士(33)=引退=の暴行問題で、頭部を殴打されて冬巡業を無断休場している平幕貴ノ岩(27)の荷物が5日、東京・江東区の貴乃花部屋に届いたことが分かった。問題発覚後から姿を隠している貴ノ岩は、福岡県田川市の貴乃花部屋宿舎に滞在しているとみられていたが、荷物をまとめて福岡を“脱出”したようだ。一方、相撲協会は同日、貴乃花親方(45)=元横綱=に対し、貴ノ岩の冬巡業休場の理由説明を求め、診断書の提出を改めて要求。貴ノ岩のけがの状態には不明な点も多いことから、貴乃花親方が“第3の診断書”を提出するかどうかも焦点になってきた。 

 頭部を負傷して、九州場所を休場した貴ノ岩の所在は相撲協会もつかめていない。現在の詳細な体調も不明だ。しかし、その貴ノ岩の荷物が、田川市の九州場所宿舎から貴乃花部屋に運び込まれたという。肝心の本人は姿をみせることはなかったが、滞在場所を変えることになったようだ。

 貴ノ岩は日馬富士による暴行事件が発覚した11月14日以降、一度も姿をみせていない。九州場所宿舎のプレハブ小屋にずっと籠もっていたとみられ、一度写真週刊誌に撮影された。テレビ各局も貴ノ岩の姿を撮影しようと張り付いているが、気づかれることなく脱出した可能性もある。

 貴ノ岩は九州場所に続いて、3日から始まった冬巡業を休場している。休場に必要な診断書を提出しておらず、前代未聞の“無断欠勤”の格好になっている。そもそも病院に行った形跡もなく、診断書は提出どころか作成も困難な状況とみられる。

 貴ノ岩のけがの状態については不明な点が多い。これまでに2通の内容の違った診断書の存在が明らかになっており、1通目は鳥取県警に提出されたが、骨折などの記述はなかったとされる。

 九州場所を休場した際に2通目が相撲協会に提出され、この診断書には、「右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑いで全治2週間程度」と記されていた。しかし、主治医は相撲協会の危機管理委員会の聴取に対し、骨折はあくまで疑いで「相撲を取ることを含め仕事に支障がないと判断した」と証言している。

 こうした経緯から、貴ノ岩のけがの程度について「それほど重傷ではないのではないか」との見方をする相撲協会関係者もいる。貴乃花親方は、相撲協会やモンゴル力士勢に批判的な立場をとっていることから、「この暴力問題を利用して揺さぶりをかけているのではないか」とも噂されている。

 相撲協会の危機管理委員会による、貴ノ岩に対する聞き取り調査を貴乃花親方は徹底的に拒否しているが、一方で冬巡業はすでに始まっている。巡業を休む力士は、正当な理由を相撲協会に説明する必要があるが、貴ノ岩は報告を行っていない。報告の責任は貴乃花親方にある。

 そこで、相撲協会の危機管理部長を務める鏡山親方(元関脇多賀竜)がこの日午後2時半ごろ、診断書の提出を求める文書を届けるため、貴乃花部屋を訪問した。インターフォンを鳴らしたが、誰も出なかったため、文書を郵便受けに入れ、「九州場所でも、ずっと文書でのやりとりだったので。親方に渡してください」と貴乃花部屋の関係者に伝言を残して引き上げた。

 鏡山親方は報道陣を前に「そういうもの(文書)に応えるのが相撲道じゃないのか。ルールなんだから」と、“相撲道”に強いこだわりをみせる貴乃花親方に対し強烈な皮肉も口にした。

 鳥取県警は近日中に、元横綱日馬富士を傷害容疑で書類送検する方針。起訴を求める「厳重処分」を付けるとみられる。

 危機管理委員会は11月30日の理事会で、貴乃花親方から「警察の捜査が終わった段階で貴ノ岩の聞き取り調査に応じる」と言質を取った。高野利雄・危機管理委員長(元名古屋高検検事長)は、日馬富士が書類送検された段階と認識し「貴乃花理事もその趣旨でお答えになっていたと私は理解しています」という。

 貴乃花親方が「書類送検後」と明言しているわけではないが、貴ノ岩をいつまでも人目につかないところに置いておくわけにもいかない。そろそろ潮時だ。貴ノ岩の“脱出”は聞き取り調査の準備である可能性もある。

 貴ノ岩は九州場所の休場で、初場所は十両転落が確実。初場所も休場なら幕下に降格する可能性もある。貴乃花親方は重傷であることを強調しているが、力士としての将来にもかかわるだけに、診断書を提出できないとなると貴乃花親方、貴ノ岩ともに窮地に追い込まれることになる。

 しかし、貴ノ岩は今後、貴乃花親方と合流して反撃の準備を始めるとみられる。貴ノ岩はいつ、どこに姿を現し、何を語るのだろうか。