大谷の“関節ネズミ”発見情報に米メディアが辛辣バッシング NY紙強烈「獲らなくてよかった」

13日に千葉・鎌ケ谷市のファイターズタウン内で、キャッチボールで汗を流した大谷。右肘は大丈夫か?

 日本ハムから米大リーグ・エンゼルスへの移籍が決まった大谷翔平(23)が右肘の内側側副靱帯を損傷していたと12日(日本時間13日)、米メディアが報じた。同時に「右肘関節内遊離体(通称・関節ネズミ)も発見された」とも伝えられている。10月に自身から採取した血小板を使い、組織の修復や再生を図る「PRP注射」による治療を受け、症状は軽いとされているが、不安をあおる米メディアも多い。

 米報道によると、代理人のネズ・バレロ氏は、大谷と交渉を行った各球団に「10月20日に予防的な措置としてPRP注射を受けた。日本ではこういう処置はしばしば行われている」と説明していたという。さらに11月28日には東京で精密検査を受けたという。

 エンゼルスのエプラー・ゼネラルマネジャー(GM)は大谷が受けた検査と結果について、こう説明している。

 「大谷は両肩と両肘のMRI(磁気共鳴画像診断装置)による診断を受けた。これはわれわれと契約する選手すべてが受けるものだ。その結果、急性の外傷は見つからなかった。彼の年齢相応の結果だったと考えている。われわれはこの結果を喜んでいるし、彼を獲得できて幸せだ。来年最初から100%でいけるように、準備を早く進めてきたので順調だ」

 軽症を強調し、来春のキャンプは制限をかけずに練習できるという。

 PRP療法は、田中将大(ヤンキース)もメジャー1年目の2014年7月に部分断裂した右肘靱帯に施し、その後、長期離脱なく先発ローテーションを守っている。

 米スポーツ専門局ESPNは「大谷の右肘の挫傷は第1グレード(一番軽い程度)。靱帯の故障はトミージョン手術(靱帯再建手術)を必要とすることが多いが、最も穏やかな治療法のPRPで、田中やクリス・セール投手(レッドソックス)は現在も問題なく投げている」などと報じている。今オフは十分な休養期間もあるので、大谷の右肘に関しては楽観的な見方が強い。

 しかし、米国にはかなり厳しい見方をしているメディアもある。投打の二刀流に挑戦する大谷だけに、ただでさえ肉体的な負担は計り知れないものがある。わずかなほころびが、大きな問題につながることもある。

 ESPNは楽観的な見方をしながらも、ある関係者の見方を次のように紹介している。

 「たとえ大谷の右肘に軽い故障があったとしても、大谷に対する評価が変わることはない。最悪の場合、手術となると2年間はプレーできなくなるが、その後、再契約しても4年6000万ドル(68億円)ぐらいの値段となる。これならまだバーゲンセールの値段だ」

 大谷の契約金は約230万ドル(約2億6000万円)で、日本ハムにはポスティングシステムで譲渡金として設定された上限いっぱいの2000万ドル(約22億6000万円)が支払われる。

 23歳の大谷は25歳未満のドラフト対象外の外国人選手扱いで契約金が制限され、マイナー契約しか結べない。故障したまま2年を経過して25歳になると、さほど条件は上がらずに再契約できるので、球団には好都合だというわけ。かなりドライな見方だ。大谷の価値は本来2億ドル(226億円)とも言われる。

 また、USA TODAY紙はPRP療法についてこう報じている。

 「大谷の右肘のダメージはたぶん、2018年の投球を妨げることはないだろう。しかし、ここ数年で最も期待の大きいデビューに、暗い影を落としている。エンゼルスのギャレット・リチャード投手もPRP療法で16年シーズンを休み、17年には復帰したが、結局27回1/3しか投げることができなかった。やはり手術をするべきではなかったか、との議論がある」

 実は、右肘の内側側副靱帯を損傷の他に、もうひとつ気になるMRI検査の結果があったことも複数の米メディアが報じている。右肘の内側側副靱帯のそばに小さな遊離体(軟骨の破片など)が1つ発見されたという。これが長期的に大谷の右肘にどんな影響を与えるか、気になるところだ。

 ニューヨークポスト紙は辛辣だ。地元のヤンキースが大谷に“書類選考”の段階で袖にされた経緯も影響しているだろう。

 「ヤンキースは大谷に交渉の席から外されて幸せだったかもしれない。大谷の獲得に関して、飛んできた弾丸をよける(被害を避ける)ことができたということか。大谷は静かに歩み寄る右肘の問題をいつまでも引きずらなければならない。小さな遊離体も発見されている。最悪の場合(手術になった場合)、エンゼルスは感情的には壊滅的なダメージを受けるだろう。ただ、金銭的には何もないだろう」

 大谷は10月に右足首の手術も受け、二刀流に万全を期した準備をしている。故障で大きな夢が頓挫することだけは避けてほしいのが日本のファンの思い。健康な体で思い切り二刀流に挑戦してもらいたいものだ。