「カムバック イチロー!」マーリンズファンから悲痛の声が上がっているワケ

マーリンズ崩壊にイチローを懐かしむファンの声も聞こえてくる(共同)

 イチロー(44)をFAに追いやったマーリンズが解体されつつある。メジャー随一を誇った外野陣は、本塁打王でもあるジュアンカルロ・スタントン(28)がヤンキースへ、マーセル・オズナはカージナルスへそれぞれトレードされた。残るはクリスチャン・イエリッチ(27)のみ。地元フロリダ州マイアミのファンは「こんなことになるなら、イチローを残していれば…」との声まで出てきたという。

 「来季戦えるのか」(サン・センチネル紙)と不安視するほどのチーム大刷新。それもこれも、マーリンズが身売りされ、新たに共同オーナーで最高経営責任者(CEO)でもあるデレク・ジーター氏(43)が年俸総額の大幅ダウンを断行したからに他ならない。

 今季のマーリンズ年俸総額は1億1500万ドル(約130億円)だったが、これを9000万ドル(約101億円)にまで引き下げようとするもので、20%以上のコストカットだ。

 ただこれは単純な数字上のことで、契約内容により、大幅アップが約束された選手も多く、全員が残留となると、1億4000万ドル(約157億円)にまでふくれあがることが分かっていた。35%ダウンという大なたを振るうことになっていたのだ。

 名前と実力が保証された外野手がイエリッチ1人になってしまった。スタントン、オズナがFAではなくトレードで放出されたため、代わりに若い選手が入ってきたが、いずれも20代前半で、戦力になるかは未知数の域を出ない。そのイエリッチさえ、「早晩、マーリンズを出ることになるはずだ。マーリンズは大改革によってズタズタになってしまい、何年も低迷するだろう」(マイアミ・ヘラルド紙)。

 さらには先発のエディソン・ボルケス(34)、二塁手のディー・ゴードン(29)までいなくなった。

 このマーリンズの惨めな状況に、有力代理人のスコット・ボラス氏は12月14日までフロリダ州で開かれていたウインターミーティングで、「メジャーの宝石店の一つが“質屋”になってしまったのをわれわれは見ているようだ」と吐き捨てた。

 高額な年俸が払えないため、優良資産を次々に売りに出しているのが、現在のマーリンズで、それを皮肉ったらしい。

 すっかり来季の戦いに興味をなくしたファンが、「第4の外野手だったイチローが2番目になっていたかもしれない。残してもよかったのでは」と後悔の念を表している。200万ドル(約2億2600万円)だった年俸も大幅ダウンが可能とされていただけに、何とも悔しさが先行したのだろう。

 だが、時すでに遅し。イチローの代理人ジョン・ボッグス氏はマーリンズ以外の29球団とコンタクトを取っていると言い切った。

 たとえば、ロッキーズのネットサイトは「3000安打を放った印象深いクアーズ・フィールドを本拠地に持つロッキーズも検討しているらしい。50歳まで6年は無理だが、45歳シーズンの1年ならプレーできるのではないか」と伝える。ファンの願いもむなしく、もう“レジェンド”イチローはマーリンズに戻ってこない。(産経新聞)