《zak女の雄叫び お題は「白」》「まだこれで終わりじゃない。次があるんだ」 フィギア女子の決意

 真っ白い氷の上で、選手たちがくるくると舞う。軽やかに飛び上がる。深い赤、目の覚めるような青、濃淡のあるピンク…それぞれに美しい衣装を身につけ、女子選手たちは各4分間、人々を魅了した。

 「ごめんねー」

 絶叫しながら深々とお辞儀をした直後、「わーっ」。両手をひざに付け、頭を下げたままの姿勢で16歳の女子高生は泣きじゃくった。

 23日夜、平昌五輪の日本代表選考会を兼ねた「全日本選手権」(東京・調布)でフリーの演技を終えた樋口新葉選手(東京・日本橋女学館高)の姿だった。

 明るくて笑顔がかわいい元気印。同高校の担任でスケート部の顧問でもある厚海(あつうみ)啓子先生は「屈託のない明るさを持っている子。ひょうきん者でとても明るい。スケート一筋で、自分の目標に向かって前向きに努力して取り組んできた」と教え子をほめた。

 満を持して作り上げた今季のフリーは、スケート関係者の中でも特に評価が高い。映画「007 スカイフォール」のジェームス・ボンドを思わせるクールでセクシーな演技。パワフルなジャンプと繊細な手の表現はスケート関係者に「樋口にしかできない」と言わしめる完成度だった。しかし、日本代表を賭けた戦いでショート、フリーともにジャンプにミスが出てしまった…。

 「負けず嫌い」「頑張り屋」とクラスメートが自慢する“太陽”みたいな彼女が、目の前で顔を床に向けたまま、泣きじゃくっている…。応援に来たクラスメートたちは言葉を失い、お互いに顔を見合わせ、困ったような泣きそうな顔をしていた。

 残酷だ。平昌五輪の中で世界屈指の人気競技、フィギュアスケート。女子の日本代表枠は「2」。エース宮原知子(関西大)が安定感のある滑りで「全日本選手権」を優勝。今季、メドベージェワ、ザギトワ(ともにロシア)に次ぐシーズンベストで世界3位だった樋口だが、五輪出場には届かなかった。

 落選した24日夜、自身のツイッターでつぶやいた。「まだこれで終わりじゃない。次があるんだ。やってやろう」。高校2年。まだ16歳。涙の奥にある数え切れない努力と周囲の応援を見てきた私は、きっと彼女なら夢をつかむと信じている。(E)

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。12月のお題は「白」です。