宮原、内面磨き「ミス・パーフェクト」復活 股関節骨折乗り越え平昌五輪へ

GPファイナルで復活の足がかりをつくった宮原

 “氷の女神”は彼女を見捨ててはいなかった。昨年12月の全日本選手権を制し、日本女子フィギュアスケート陣でメダルに最も近い位置にいるのが、間違いなく宮原知子(さとこ、19)=関大=だ。

 「左股関節の疲労骨折」と診断されたのは2017年1月。2月の「四大陸選手権」(韓国)、3月の「世界選手権」(フィンランド)を欠場し、治療とリハビリに専念した。ジャンプ練習の再開は10月からで出遅れが心配されていた。

 しかし11月のグランプリシリーズ「NHK杯」(大阪)で実戦に復帰すると、「スケートアメリカ」(米国)で優勝。12月には「グランプリファイナル」(名古屋)に補欠から繰り上げ出場を果たし、ショートプログラム(SP)はノーミスで3位。フリーを含めた総合でも日本勢最高の5位に入った。平昌へ向けて、精度はこれから上がっていくばかりだろう。

 「試合に出ることで、緊張感を感じながらいい演技ができるようになってきました。だんだん、試合勘が戻ってきています」

 滑ることができない焦りを溶かすように、17年はさまざまなことに挑戦した。完璧な演技で終えるイメージトレーニングを徹底。骨密度や筋肉量を増やすため、毎日牛乳を飲み続け、筋力トレーニングや陸上トレーニング、食事管理で体重が4キロ増、40キロ台に達した。柔軟性とケガ防止のため、入念なバレエストレッチも忘れない。

 今シーズン、そして平昌五輪で披露するプログラムは、SPが米映画「SAYURI」の楽曲、フリーは「蝶々夫人」。どちらも日本の女性がテーマだ。小学生で英検2級を取得し、海外遠征や大会に通訳なしで対応する才女は、「SAYURI」の原作の小説(米作家アーサー・ゴールデン著)を原書(英語)で読んだ。主人公のはかなさ、切なさ、そして強さを、自分に重ね合わせたのだろう。

 「人間として成長しました。途中、復帰できないのでは…と思ったこともあったと思います」と浜田美栄コーチ(58)はまな弟子の復活に目を細めた。

 滑ることができる喜びにあふれている。内面を磨き、人間としての幅と深さを得た「ミス・パーフェクト」の美の世界が待ち遠しい。