沙羅、女の決意!髪と一緒に不振もバッサリ 大胆カットのウラにイメージトレ ポジティブ思考で「金」誓う

高梨は自慢のロングヘアをバッサリ切り、金メダルへの決意を新たにした

 平昌五輪のスキージャンプ代表に選ばれた高梨沙羅(21)=クラレ=が自慢のロングヘアを一気に20センチもバッサリ切った。そのウラには、イメージトレーニングで身につけた究極のポジティブ思考がある。今季はワールドカップ(W杯)0勝の不振だが、ウップンを髪と一緒に捨て去り、自身が掲げる「平昌五輪で金メダル」に向けて攻めの姿勢で挑む。(飯田絵美)

 あれっ、髪が!? 全日本スキー連盟は11日、平昌五輪代表選手のうち11人を発表。記者会見には女子ジャンプの4選手が出席したが、高梨が登場すると会場がザワついた。トレードマークの艶やかロングヘアが、バッサリとアゴの位置で切られていたからだ。

 「邪魔だなと思って切りました。2017年の失敗や後悔を全て置いてきたかった。さっぱりした状態で新しい2018年を迎えられたらいいな、と思って」

 照れ笑いで年末に札幌の美容室で切ったことを明かした。幼い頃からロングヘアの印象が強く、「美容師さんからもビックリされました。『え、切るんですか?』って」と周囲も驚くイメージチェンジだ。

 高梨本人はケロリとしたもので「割とさっぱりと決めたんです。あ、切ろうかな、と。すぐに行って切ってもらいました」。この決断こそ、金メダルを期待されながら4位に終わった2014年ソチ五輪以降、力を入れてきたイメージトレーニングの成果だ。

 今季のW杯は出場した個人4戦でいまだ0勝(11日現在)。昨季全17戦で9勝を挙げ総合優勝を果たした強さが影を潜めている。同世代のライバルのマーレン・ルンビ(23)=ノルウェー、カタリナ・アルトハウス(21)=ドイツ=の好調ぶりに圧倒されている。

 高梨は男女を通じて歴代単独最多となる通算54勝目まであと1と迫りながら足踏み。五輪も控え、不安や焦りを抱えそうな状況だが、不振は髪と一緒にきれいさっぱり捨てたのだ。

 心理学の世界では、不安や愚痴など嫌な感情を紙に書き出して、それを破いたり捨てたりするとネガティブな気分から切り替えられるといわれる。高梨の断髪はこれにあたる。

 心の強さが競技結果を大きく左右する。そう気づかされたのは、屈辱のソチ五輪だった。「どんな状況でも力を出せる選手を目指して、いままでやってきたつもりです」という通り、目の前の環境と結果を前向きにとらえるイメージトレーニングを積み、競技だけではなくプライベートでも、何物にも動じないタフさを身につけた。

 正月は家族と東京で過ごし、神社へ初詣。五輪も迫る中、おみくじは「凶が出たら…」と尻込みするのかと思いきや、「引きました。末吉です」。「エッ、どう捉えたの?」と恐る恐る尋ねた報道陣に、「自分の行動次第で大吉にもなるかな、と。自分を大吉にできるように頑張りたいと思います」とあくまでも前向きに語った。

 記者会見の席で岩渕香里(24)=北野建設=は、「目標は一番高いところです」と金メダルへの思いを抽象的に表現したが、高梨は「目標は平昌五輪で金メダルを取ること」と明確だった。より具体的な目標設定で結果に結びつけようとしている。