平昌五輪“金”へ!沙羅が2千万円ベンツに乗るワケ「好きなものに囲まれての生活も1つの方法」

今季W杯6戦目で最高の2位となり、声援に応える高梨

 平昌冬季五輪(2月9日開幕)の直前になってジャンプ女子の高梨沙羅(21)=クラレ=の調子が上がってきた。W杯で今季は6戦未勝利だが、「W杯レディース札幌大会 個人第6戦」(14日=宮の森ジャンプ競技場)で今季最高の2位となった。勝っていなくても、ばっちりメークや愛車の高級車が話題となり、スポンサーの注目度は依然として高く、人気面でジャンプ界を背負っている。悲願の五輪金メダルに手が届くか-。(飯田絵美)

 2回目に93メートルを飛び、231・4点で今季自己最高の2位を奪取。今季W杯5戦でワンツーを独占していたマーレン・ルンビ(23)=ノルウェー、カタリナ・アルトハウス(21)=ドイツ=の一角をついに崩した。

 昨季、W杯は男女を通じ全17戦で9勝を挙げ総合優勝に輝いたが、今季6戦で未勝利。昨季最終戦から数えて、7戦連続で優勝を逃したのは自己ワースト記録だ。地元ファンと今季初勝利&ジャンプW杯史上最多の通算54勝目の歓喜を共有することはできなかったのは残念だったが、平昌五輪に向けての準備は進んでいる。

 「まだまだ自分が完全ではない中で“伸びしろ”もあると思っている。そうポジティブに考えられているのは、成長かなと思う」

 勝っていなくてもやはり女子ジャンプの中心は高梨だ。ジャンプ台の外でも話題を振りまいており、最近は2000万円の愛車ベンツでスキー場入りする姿が注目されている。身長152センチの小柄な彼女が、戦車のような「メルセデスAMG G63」のハンドルを自ら握る姿は壮観だ。

 「メルセデス・ベンツ・マガジン」2017年冬号がベンツを所有している高梨について紹介している。同誌は販売会社が顧客を対象に配布する季刊誌。高梨が、軍用車から派生したSUV(スポーツ用多目的車)で大型の「メルセデスAMG G63」に寄り添って微笑んでいる。

 同誌には『ソチでの悔しさを晴らすには、平昌でメダルを取るしかない(中略)そのためには自分の好きなものに囲まれて生活するのも1つの方法かと』と高級車に乗ることにした動機を語っている。

 「簡単に勝てなくなった高梨が、高級車に乗ったり、最近でもスポンサーのイベントに出席したりすることを冷ややかに言う声もあるが、練習が忙しい中でイベントに参加するのは簡単なことではない。女子ジャンプは彼女の人気で持っている。人気の裏返しで、スポンサー各社や関係者は、やはり高梨に平昌で勝ってほしいと思っている」(ジャンプ関係者)

 4年前は、『ソチ五輪で金メダル』『W杯総合優勝』『ジュニア世界選手権優勝』という“3本立て”の目標で臨んだ。その結果、W杯は13戦10勝と圧倒的な強さを誇り、ジュニア世界選手権も3連覇達成。

 しかし、金メダルの大本命と目されたソチ五輪でまさかの4位。17歳の少女は泣きじゃくった。ひとつのシーズンに複数の目標を立てたことで、心技体がそろわなかったという後悔が残った。

 今季は、昨年3月末から米国で始動。牧野講平トレーナー(38)らと体力強化に取り組む中で、「一番の目標をどこに据えようか」と話し合い、高梨自身が「平昌五輪の金メダル!」と即答した。目標を1つに絞り、五輪代表に内定した今月11日以降、公の場で明確に目標を口にするようになった。

 確実に自分の進化も感じ取っている。着地のテレマーク姿勢が課題だったが、この日、2本目でテレマークをしっかり入れ、優勝したルンビと並ぶトップタイの飛型点55・5点をマーク。「55・5点が出るって、私の中ではなかなかないので、自信になりました」と手応えをつかんだ。この日は普段より柔らかい素材のジャンプスーツを着用するなど、用具でも平昌へ向けて試行錯誤を続けている。

 “仮想・平昌”のトレーニングにもぬかりはない。今月初め、ルーマニア・ルシュノフのW杯が雪不足で中止。実戦感覚が薄れるのを避けるため「飛べる場所を探して移動した」先は、長野の白馬だった。白馬は、平昌五輪のジャンプ台と助走路の形状、レールなどに共通点がある。

 高梨はそこで2日半ジャンプの本数をこなし、課題修正に取り組むことができた。「自分の納得がいくところまで、アベレージを上げることができた」。昨年2月にも、W杯を欠場してまで白馬で調整したことがあり、平昌に向けて、ジャンプ台の感覚を体に染みこませている。

 今季W杯では、かつての王者が挑戦者。ルンビとアルトハウスという欧州2強を“追う”立場だが、「この高い壁を乗り越えたとき、どれくらいうれしいんだろうと、想像しただけでワクワクする」。やってくれそうな雰囲気がある。