【オヤジのためのサッカー塾】日本代表FW・武藤嘉紀の見事なゴラッソ 1試合2発にハリル監督もホッ、うまい選手は手も巧み

武藤(右)は後半、相手GKに阻まれ跳ね返ったボールを右足で押し込み2ゴール目(共同)

 実に見事なゴラッソ(スペイン語で素晴らしいゴールの意)でした。日本代表ハリル・ジャパンにとって久々の明るいニュースです。

 ドイツブンデスリーガ第19節(20日=対シュトゥットガルト)で日本代表FW武藤嘉紀(25)=マインツ=が1試合2ゴール。

 まずは1本目、0-1の劣勢で迎えた前半ロスタイムで、DFを背負いながら反転し右足でシュート。武藤は調子のいい時には『しっかり足を振り切ること』ができます。1発目はそれができていました。するとどういうことが起きるか。ボールの芯を完璧に振り切ることができたことで「無回転シュート」となり、本人も「素晴らしい形で決まってくれた」と自画自賛のゴールになりました。

 さらに、ここで注目すべきポイントのひとつは「左手の巧みな使い方」です。ドリブルで突破するときに、相手DFを左手で押さえながら、自分がゴールを打てる体勢をつくっていたのです。

 サッカーは足でボールを動かすイメージが強いスポーツですが、うまい選手ほど手をうまく使っているものです。

 そして、1-1の後半9分。左からのクロスボールに右足で合わせます。これはGKに止められたものの、跳ね返ってきたボールを再び右足で押し込みました。

 こちらは、かつての武藤と同じチームでプレーした日本代表の先輩FW岡崎(レスター)をほうふつさせる、泥臭さ満点のゴールでした。

 武藤本人も喜んでましたよね。それは6月のW杯ロシア大会にむけたメンバー入りを目指しているからにほかなりません。海外組を重視するハリルホジッチ監督もホッとしたはずです。

 貴重な2ゴールを決めた武藤の笑顔が、なんとさわやかだったことか。イケメンって、こういう時に得ですよね?

 ■水沼貴史(みずぬま・たかし) サッカー解説者。1960年5月28日、埼玉県生まれ。FWとして日産の黄金時代を築く。日本代表として32試合に出場、7得点。95年横浜マリノスの前期優勝後に現役引退。2006年には横浜Fマリノスのコーチ、同監督も務めた。