貴乃花親方は「落選ではなく一石を投じた」 理事選惨敗の真相を支援者が激白「選挙することが目的で受かる気なかった」

3日の豆まきで吹っ切れた笑顔を見せた貴乃花親方

 日本相撲協会の理事選(2日投開票)に立候補したものの2票しか集められず惨敗した貴乃花親方(45)=元横綱=は翌3日、京都府宇治市の龍神総宮社で豆まきに参加した。同神社は毎年春場所(今年は3月11日初日=エディオンアリーナ大阪)の際、境内に貴乃花部屋の宿舎が置かれる“第2の本拠地”。随一の支援者で同神社の祭主、辻本公俊(よしとし)氏(65)が夕刊フジの取材に応じ、貴乃花親方の本音を代弁した。(聞き手・海野慎介)

 --理事選について貴乃花親方と話をしたか

 「『1票入ったんか?』と聞いたら、『そうです』と言っていたよ。もともと選挙する(投票に持ち込む)ことが目的で、受かる気なかったと思う。なあなあでは時代に沿った話ができないから」

 《貴乃花一門が貴乃花親方と阿武松親方(56)=元関脇益荒雄=の2人を擁立することを決定したのは、立候補届け出のわずか2日前。これ以前に定員10人に対し、他の5つの一門から9人が立候補することが確定していた。貴乃花一門が候補を1人に絞っていれば、無投票で決着し落選の屈辱を味わわずに済んだ。しかし貴乃花親方は、理事は各一門の間の談合ではなく、各親方個人の自由意思によって選ばれるべきとの考えから、投票実施にこだわった。自身の落選は覚悟の上。むしろ、貴乃花親方に投票した者が自身以外に1人いたことが収穫だったというわけだ》

 --一方で、阿武松親方の得票数は8にとどまった。貴乃花一門の所属親方は、友好関係にある無所属3人を合わせ計11。2票がどこかへ逃げたことになる

 「(貴乃花親方以外の貴乃花一門は)阿武松親方か、(出羽海一門所属ながら貴乃花親方に近い)山響親方(47)=元幕内巌雄=に入れることにするという、最初からの約束だったと思う。(貴乃花親方への1票は)高砂部屋付きの陣幕親方(57)=元幕内富士乃真=とちゃうかな?」

 《貴乃花親方の長男で靴職人の花田優一氏(22)が昨年、陣幕親方の娘と結婚。姻戚関係となった背景がある》

 --元横綱日馬富士による傷害事件が発覚して以降、報道陣には仏頂面と沈黙を貫いていた貴乃花親方の表情が、初場所に入った頃から突然明るくなった

 「受かる(理事選に当選する)気なくて、腹決めたからや。(理事から外れた方が)メディアに出てモノも言える。テレビでは『落選』なんて験の悪い言葉使っているが、『一石投じた』ということや」

 --今後も貴乃花親方が中心となって相撲協会を変えていくと?

 「親方は未来を考えてアリの一穴をあけた。これから波及させていくということや。あんな親方いいひん。貴乃花だから1人でやっている。大変なものやと思うで。(いろいろなものを)なげうってやっている。一本気や。あんな男はおらん。他の親方で全てなげうった奴おるか? だから、わても応援するねん」

 --初場所中、協会広報部長の春日野親方の元弟子、矢作嵐さん(22)がテレビに出演し、過去の傷害事件が隠蔽されていると告発した

 「貴ノ岩の件で貴乃花親方が寄り添い親身になった。それをうらやんで、春日野の弟子が(テレビで)言うたんやと思うね」

 --貴乃花親方の目指しているものは

 「親方は力士の福利厚生を考えて、(若者が)希望を持って入って来られる相撲協会を考えてる。福利厚生を含めてやらなアカン。ワシが『夢持てる。そうあるべきや』と言うと、親方も『そう!』と言っていた」

 --昨年のこの豆まきには、横綱白鵬も参加したが、今年は姿がなかった

 「この状況やから。貴ノ岩の(ケガの)原因つくった“モンゴルチーム”のトップやないか。それに、張り手とかち上げないと勝てない。潔くせなアカン。(昨年の)11月場所なんかやらない方がよかった。(白鵬を含め傷害事件に)横綱3人を巻き込んだ。前代未聞やで。それで処分が甘いのは、協会の認識が甘いから」

 --貴乃花部屋では、辻本氏の名前にあやかった貴公俊=たかよしとし=(20)が春場所で十両に昇進。弟の十両貴源治(20)と史上初の“双子関取”となる

 「それが一番やわ。部屋盛り上げてくれればいい。双子の関取が出たということはええこと。協会も盛り上がると思うで。(貴公俊の名前を)付けたのは親方や。親方が後から『先生、名前いただきました』と連絡してきた」

 --心配されるのは貴ノ岩の容体

 「東京の病院におると思うよ。(春場所に向けて)間に合えば今月20日にはこっちに出てくるんと違うか」

 貴ノ岩の回復も順調に進んでおり、春場所出場の可能性もあることをうかがわせた。