謎の「追い風」は小平奈緒潰しか? 20機以上の「送風機」、“手心”も技術的には可能

小平にとって奇妙な空調設備は追い風か逆風か

 平昌五輪のスピードスケート会場「江陵オーバル」の風が話題だ。海外から整氷担当者を招いたリンクは、金メダルが期待される小平奈緒(31)=相沢病院=も太鼓判を押す仕上がりだが、気になるのが追い風を生み出しているという空調設備だ。

 天井に取り付けられている空調設備は20機以上。双眼鏡を大きくしたような外観で送風口が2つ横に並び、レーンに沿ってぐるりと滑走方向に向けられている。スケート関係者の間では「送風機だ」との声も。昨年この会場で行われた世界距離別選手権では、自己新記録を出す選手が続出。風向計で測ると毎秒0・8~1・0メートルほどの風が吹いていたという。秒速10~15メートルで滑る選手にとって小さくない数値だ。

 実際に今大会でも、練習に臨んだ男子中長距離のウイリアムソン師円(22)=日本電産サンキョー=は「常に進行方向に向かって風が吹いている。力を入れなくてもスピードが出る」と率直な感想を漏らした。

 海沿いの低地にある江陵オーバルは気圧が高く、空気抵抗が記録の妨げになるとされる。「記録が出るいいリンク」という評判を得ようと、送風機で不利な条件を補おうとしたのでは-。奇妙な空調をこう類推する声も聞こえてくるのだ。

 7日には同リンクで記録会が行われ、小平は500メートルで非公認ながら、トップとなる37秒05をマーク。同リンクで優勝した昨年2月の世界距離別選手権での、37秒13を上回る快走だった。

 人が機械を動かす以上、“手心”も技術的には可能だ。「500メートルで五輪3連覇を狙う韓国の李相花が滑るときは装置を動かして、小平のときは止めるのでは」と懸念する向きもある。

 だが、小平本人は「気にしていない。風は吹いても吹いていなくてもみんな同じ条件です。自分の中でいい滑りをするだけ」と泰然自若。初練習後は「氷がしっかりしているので、すごくコントロールが利きやすい」とリンクの状態を絶賛した。「送風機」すら敵ではないほどの絶好調だ。