【平昌取材日記 零下20度の街から】ピンバッジトレードで交流 せわしない毎日の中、心温まる瞬間

ピンバッジトレードで交流

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 ノロウィルスで揺れる五輪。スピードスケート会場のセキュリティーチェックは、担当がボランティアから迷彩服の軍人らに替わって厳重になり、私たちの手は消毒液を塗りたくられた。

 一方で世界各国の報道陣が集まるメーンプレスセンターのチェック担当はボランティアのまま。大勝負を控えた選手と接触する競技会場と比べ、のんびりとした空気が漂っていた。自社ブースで作業していると、コンコンと部屋をノックする音が。「ピンバッジ、交換しませんか?」。大会公式スポンサー、コカ・コーラ社の関係者だった。

 五輪参加各国の選手や大会関係者、報道陣が持ち寄ったバッジで交流する「ピンバッジ トレード」。デザインはどれも個性的で、過去にはテレビ朝日がドラえもん、テレビ東京がポケモンをあしらって人気を博した。

 わが社のバッジは重々しい字体で「産経新聞」の漢字のみ。英語表記でポップなデザインが多い中、オリエンタルでシンプルな雰囲気は逆に目立つ。コカ・コーラ社のおじさんも大喜びで、CNNのバッジと交換した。

 ボランティアにあげたり、関係者同士で交換したり。“小さな贈り物”がきっかけで、これまでの人生で交わらなかった人たちと繋がる。せわしない毎日の中、心温まる瞬間なのだ。「最近はやる人が減ったので、ウチは今回、作りませんでした」という社もあり、寂しくなった。経費削減が叫ばれる昨今、今回もピンバッチを作ってくれた会社上層部の皆さん、ありがとう!