【ダッグアウトの裏側】パドレス・牧田“分析不能”サブマリンで株急上昇 グリーン監督「打者はかなり戸惑う」

「こんなタイプは見たことがない」と驚嘆の声が上がりはじめた牧田(共同)

 西武から米大リーグ・パドレスに移籍した牧田和久投手(33)の評判が高い。米国駐在時によく取材したナ・リーグ球団のスカウトから久しぶりにメールが届いた。

 「あんなタイプのサブマリンは見たことがない。球種は6種類か? どんな投球スタイルなのか教えてくれ」

 アリゾナ州ピオリアで春季キャンプ中の牧田は2月23日に初めてフリー打撃に登板。ロイヤルズからFA移籍したエリク・ホスマー内野手(28)ら主力打者3人を相手に31球を投げ、計11スイングで安打性の当たりは1本しか許さなかったそうだ。

 「打者のタイミングをずらして空振りが取れたし、周囲の反応もよかった。上出来だと思う」と牧田。緩急をつけてストライクゾーンの高低に投げ分けて空振りも奪い、首脳陣にアピールした。

 当欄で何度か紹介した通り、近年の大リーグではフライを奨励する打撃理論『フライボール・レボリューション(革命)』が広まっている。最新の映像解析技術によってプレーを数値化する『スタットキャスト』の影響。データ上で理想とされるのは、ボールのやや下を強くたたくアッパー気味のスイングだ。

 バットが下から出てくるなら、浮き上がるような高めの速球は有効。しかも下手投げのデータは希少なので、軌道の画像や変化球の回転数が出ても容易に対応できない。

 「ストライクゾーンを高低で使うタイプはほとんどいない。緩急の差も大きいので、打者はかなり戸惑うだろう」とアンディ・グリーン監督。地元メディアによると、同じナ・リーグ西地区球団とのオープン戦では登板させず、公式戦まで隠す方針だという。

 日本でスピードアップ賞を2度受賞したほど、投球間隔が短い(昨季平均は7・5秒)のもプラス材料。オープン戦で実績を残し、ブルペンでの役割を確保してほしい。

 ■田代学(たしろ・まなぶ) サンケイスポーツ編集局次長。1991年入社。プロ野球や五輪担当などを経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会の理事や、13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。米国での愛称は「ガク」。