巨人“異常事態”インフル禍でキャンプ強制終了 大寒波に襲われ…若手も故障者続出「神武天皇の怒りじゃないか」

マスク姿で那覇空港から帰京する岡本(右)ら巨人ナイン

 巨人はインフルエンザの蔓延を受け、春季キャンプの日程を1日繰り上げ2月27日に“強制終了”した。キャンプイン前日は恒例の宮崎神宮参拝を取りやめ、最後は手締めもないまま打ち上げ。高橋由伸監督(42)の3年契約最終年は、異例ずくめの球春となった。

 本来なら28日午前の練習後に打ち上げる予定だったが、球団は「計4人のコーチ、選手が現在インフルエンザA型と診断され、那覇市内の宿舎で静養中だが、これ以上の罹患を防ぐため、帰京を早める」と発表。帰京便の空席確保に奔走した。

 この日は韓国・SKとの練習試合(沖縄セルラー那覇)。出場予定のない選手は順次帰途に就いた。試合終了後はすでに坂本主将、菅野選手会長ら主力が不在。最終日恒例の手締めも行われないまま、ナインは慌ただしく荷物をまとめた。

 1軍ではまず25日に戸根、豊田投手コーチの感染を確認。翌26日にドラフト1位入団2年目で正二塁手候補の吉川尚がダウンすると、この日は山本も離脱した。パンデミックの宿舎を離れ、逃げるように沖縄脱出。振り返れば、今春のキャンプは始まりからして異常だった。

 1次キャンプ地の宮崎は今年が60年目の節目。1960年から毎年キャンプイン前に必勝祈願してきた宮崎神宮(宮崎市)への参拝を、「球団スケジュールの都合」で中止した。翌朝にはキャンプ初日恒例、青島神社(同)への参拝も荒天のため選手一同は見送り。高橋監督、川相2軍監督と球団幹部が車で参道や鳥居を駆け抜け、本殿前まで乗り付ける異例の形式に。両日とも寒い中、参道で待ち受けたファンは肩すかしを食った。

 その宮崎は大寒波に襲われ、2月上旬の平均気温は4・7度(最高9・9-最低0・2度)。昨年の同8・7度(14・1-3・9度)から大幅に低下した。那覇での2次キャンプは一転汗ばむ陽気となったが、今度はインフル禍。那覇市内で最新の報告数は911件に達し、昨年同時期の2倍以上の猛威にさらされた。

 踏んだり蹴ったりの球春に、底上げを期待された若手の故障も続いた。先発3枚目と目された畠、中継ぎ左腕・池田の2年目コンビ。高橋監督が宮崎キャンプMVPに選んだ3新人の一角、ドラフト2位捕手の岸田(大阪ガス)。故障明けの同1位・鍬原(中大)を併せ、直近2年のドラフト上位2人、計4人の期待株がキャンプ最終日まで生き残れなかった。

 対外試合は5連敗中。那覇では今年の初勝利を挙げられなかった。4年ぶり覇権奪回の足がかりとなるキャンプは、始まりも終わりもグダグダ。ナインを見送った報道陣から「(初代天皇で宮崎神宮の祭神)神武天皇の怒りじゃないか」と敬虔な指摘も聞こえてくる。