電撃決定!イチロー、マリナーズ復帰 外野故障者続出で白羽の矢 “二刀流”大谷も対戦を熱望

マリナーズのユニホームで数々の記録を打ち立ててきたイチロー

 【グッドイヤー(米アリゾナ州)5日(日本時間6日)=片岡将】イチローがシアトルに帰ってくる。米大リーグ、マーリンズからフリーエージェント(FA)になったイチロー外野手(44)が、2012年途中まで11年半所属していたマリナーズとメジャー契約で合意した。今季がメジャー18年目となる。マリナーズは大谷翔平投手(23)のいるエンゼルスと同じア・リーグ西地区に所属しており、“生きる伝説”vs“二刀流”の対戦も実現することになる。

 現役最年長野手となる。すでにキャンプが始まって半月が経過。移籍先が決まらず、崖っぷちだったイチローの所属先は、慣れ親しんだ古巣だった。1年目の2001年から12年7月まで在籍したマリナーズとついに契約することで合意した。

 マリナーズの今季の外野陣容はすでに決定しており、本来は入る場所はなかった。しかし、故障者が続出しており、左翼のギャメルがオープン戦に入って右脇腹を負傷。さらに右翼のハニガーは右手を痛めている。昨季123試合に出場したヘレディアは昨年10月に右肩の手術を受けた。万全なのは、マーリンズからトレードで加入し、二塁手から中堅手となるゴードンくらいなものだ。

 特にギャメルのけがは長引きそう。現地報道によると「4週間から6週間の離脱で、開幕は絶望」とされており、イチローに白羽の矢が立った。他にも、エース右腕ヘルナンデス、一塁手ヒーリーも右腕などに不安を抱えており、ベテランのイチローが最も元気なくらいだ。

 背番号も「51」が確実。メジャー40人枠、招待選手を含めても空き番号となっている。

 今季のFA市場はオーナー陣が一斉に経費節減に動いたため、FA選手100人以上が未契約のままキャンプを迎えるという異常事態となった。高額選手、ベテラン選手は敬遠され、未契約選手が集まって自主キャンプをするという歴史的な停滞に陥ったオフとなった。

 イチローの代理人も全30球団にオファーしたが、前向きな返事をした球団はなく、唯一マリナーズだけが、昔なじみで契約を検討したものの、一時は戦力的に不必要としていた。大リーグ公式サイトの全選手評価では、イチローは全体の761位で、予想打率は・267、1本塁打、12打点などと、低い評価を受けていた。

 50歳現役を掲げてきただけに、日本球界復帰の噂もまことしやかにささやかれた。古巣のオリックス、出身地近郊の中日などが受け入れに積極的だったが、イチローは最後まで米国でのプレーの可能性を探った。マイナー契約も念頭に置かなければならない局面に追い込まれていたが、最終的にマリナーズの外野に欠員ができたかたちになり、シアトル復帰が実現することになった。

 イチローはすでに日本を出国し、シアトルに到着。メディカルチェックを受け、近日中にアリゾナ州ピオリアのマ軍キャンプに合流することになりそうだ。

 今季、メジャーに移籍したエンゼルスの大谷にとっては、イチローは幼少期からの憧れだ。昨年2月に行われたMLB公式サイトでのインタビューでは、「日本で最も偉大な選手はイチローさん」と名前を挙げていた。この日、オープン戦のレッズ戦に出場した後、イチローについて問われると、「ぜひ僕が試合に出て、試合で一緒にできたらなと思います」と対戦を心待ちにしている。

 オープン戦では17日(同18日、ピオリア)、19日(同20日、テンピ)で対戦。開幕後は5月4日(同5日、シアトル)からの3連戦が予定されている。

 イチローが海を渡ってマリナーズ入りした2001年当時、日本人野手の実力は全く評価されなかったが、メジャー歴代22位の通算3080安打、史上最多の日米通算4358安打などの、圧倒的な成績で歴史を切り開いてきた。

 ヤンキース、マーリンズと渡り歩き、昨季は主に代打で136試合に出場して打率・255。これは決してイチローにとって納得のいく数字ではないだろう。マリナーズでも定位置が確保された立場ではなく、厳しい戦いを続けることになるのは確実だ。

 今でも本拠地シアトルで抜群の人気を誇っている。美しい港湾都市は、自宅を構え、輝かしい大リーグ生活を謳歌した場所であるとともに、プレッシャー、スランプ、いじめにも苦しんだ場所でもある。

 引退すれば米野球殿堂入りは確実。しかし、野球ファンは、今季もまた新たな伝説を目の当たりにすることになるだろう。イチローのメジャー生活はまだ終わらない。