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【ぴいぷる】公認会計士の元阪神投手・奥村武博氏、試験「三振」で崖っぷちも…目を覚まさせてくれた妻の“一声” (2/3ページ)

 悩み続けていた04年春、自宅に戻ると、机の上に1冊の分厚い本が置かれていた。その後結婚することになる女性が買ってきたその本には、ありとあらゆる資格が紹介されていた。

 本をパラパラめくっていると、ある資格が浮き上がって見えた。公認会計士だった。読み進めると、高校時代に学んだ簿記の知識を生かせることが分かった。さらに、制度改正で06年の試験からは、受験資格の制限がなくなることになっていた。「俺のための制度変更なんじゃないか」。運命を感じ、試験への挑戦を決めた。

 とはいえ、合格率が10%程度の超難関試験、簡単なはずがない。09年に第一関門の短答式試験をクリアしたものの、3回連続で論文式試験に失敗。短答式試験を免除される特典まで失った。

 追い打ちをかけたのが合格者の祝賀会だった。当時、資格予備校の運営企業に勤務していたため、スタッフの一人として開催に関わった。受験に失敗した人間が合格者を祝福する。残酷さに耐えられなかった。

 見かねた上司が外に連れ出してくれた。食事をしながら、「受験をやめようかなと思っています」と切り出すと、これまでの努力を知る上司は「今までよく頑張った」とねぎらってくれた。周囲も同様の反応だった。だが、一人だけ反対した人がいた。資格挑戦の背中を押した妻だった。

 「野球も、会計士の受験も中途半端。ここであきらめたら、壁にぶつかるたびに逃げ出す中途半端な人生になる。絶対にやめたらあかん」

 電話でのキツイ一言に目が覚めた。

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