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【平昌取材日記 零下20度の街から】食べ物、没収される記者続出も「おせんべい」にまさかの温情判定

★(10) 

 食べ物の恨みは恐ろしい。世界的なスポーツイベント、五輪の持ち込み禁止品は数多い。ナイフ、大型レンズ、ガラス製品、ペット、アルコールあたりは理解できるが、液体(飲み物)や食べ物のNGには閉口だ。

 開幕直後は、フィギュアスケート会場前の検査場で、ポテトチップスやペットボトル飲料を没収される記者が続出した。

 バスに1時間揺られ、ジャンプ競技場に向かった夜のこと。検査場に入ったところで、リュックの中のチョコレートとおせんべいを思い出した。

 氷点下16度に震えながら取材して回る中で、手軽に口に入れられる軽食は命綱。だが3人の若い男性検査官は無表情のまま、「リュックの中を開けろ」と促した。

 「今日は昼ご飯を食べ損ねたのに、深夜までどうしよう。日本から持ち込んだ貴重な食料なのに…」。やるせない気持ちで待っていると、検査官は互いに3秒ほど顔を見合わせた後に「OK」。まさかの温情判定をもらい、表彰台に上がったような気分になった。

 五輪後半戦に入った今夜も、懲りずにペットボトル飲料と一口ようかんを忍ばせてショートトラック会場へ。「目の前で飲んで」という検査官の指示に従ってゴクリ、毒味を済ませ「OK」をもらった。閉幕が近づき、春が近づくにつれて、セキュリティーも“適温”になってきたようだ。(飯田絵美)

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