高木菜那、快挙の裏に妹・美帆との微妙な距離感 父・愛徳さんが感じた長女らしい気遣い「もう勉強したくない」 平昌五輪 (1/2ページ)
新種目女子マススタートで、団体パシュートに続く2個目の金メダルを獲得した高木菜那(25)=日本電産サンキョー。同一大会で複数の金メダルは夏季五輪を含め日本女子初。金、銀、銅を1個ずつ獲得した妹、美帆(23)=日体大助手=との微妙な距離感を乗り越えての快挙だった。
先に頭角を現したのは2010年バンクーバー五輪に出場した美帆で、菜那は落選。天才を妹に持つ長女の苦難は始まった。
ライバル関係でもある姉妹の間には嫉妬、葛藤も渦巻く。父の愛徳(よしのり)さん(60)は「そこは難しいんですよね」とため息をつき、その上で「菜那が高校を卒業して(11年に長野県の)日本電産サンキョーに入社し、(実家の北海道にいる妹と)距離が離れた。それが良かったのかもしれませんね。ちょっと(関係が)違ってきた」と振り返る。
高校卒業後に就職した菜那は「もう勉強をしたくないから」といっていたが、実は「ウチの家計が苦しかったのもある。将来実業団を辞めたときに、気持ちがあれば大学で学びたいといっていた」(愛徳さん)という長女らしい気遣いもあった。
今では「姉ちゃんが実家に帰ってくるときには、家族みんなで焼き肉などをおごってもらっています」(愛徳さん)