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衣笠さん、豪快すぎる鉄人伝説 深夜2時に泥酔パンツ一丁で素振り… (2/3ページ)

 根本陸夫監督時代の70年。当時の広島は、後に大洋、ヤクルトで監督となる関根潤三氏がヘッドコーチ、後にヤクルトや西武を監督として日本一に導く広岡達朗氏が守備コーチを務め、厳しさに定評があった。

 同年夏。深澤氏は広島から東京へ帰る寝台特急が台風の影響で運休となり、単身赴任で球団寮に住み込んでいた関根コーチの部屋に泊めてもらうことになった。夜10時。関根コーチの指導の下、大広間で山本浩二、水谷実雄、三村敏之、水沼四郎ら、5年後の75年に球団史上初優勝を果たし“赤ヘルブーム”を巻き起こすことになる主力たちが、1時間にわたり素振りで汗を流す姿に圧倒されたという。

 「1人、いなかったな」。終了後に関根コーチがつぶやいた。その1人が衣笠さんだった。

 午前2時。寮の玄関前にタクシーの止まる音がする。泥酔し千鳥足で玄関のドアを開けた衣笠さんに、暗闇から関根コーチが突然「サチ、(素振りを)やろう」と声をかけた。

 仰天した衣笠さん。怒鳴られることも、門限破りをとがめられることもなかったが、上半身裸、パンツ一丁で汗だくになりながら1時間バットを振ることになった。関根コーチは「最後の5スイングは、いい振りだったな」とうなずいた。

 後に衣笠さんは「泥酔していようが何だろうが、バットだけは振る。ああいう積み重ねが、今の自分につながっている」と深澤氏に述懐したという。

 そんな衣笠さんは現役引退後、長年TBSの野球解説者として人気を博した。最後の出演はBS-TBSとTBSチャンネル2で放送された、今月19日のDeNA-巨人戦(横浜)。

 この日、衣笠さんはひどく声がかすれていて、ネット上を騒がせた。広島時代の同僚で親友の江夏豊氏(69)もこの中継を見ていて、本人に電話で「声が出とらんぞ。無理するな」と連絡を入れたほど。衣笠さんは「分かった。分かった」と返したという。

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