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吉田、根尾を守れ! 清宮も餌食に…異例の「アンリトン・ルール」厳戒説明会で見えた「日本の美徳」と「国際感覚」のズレ (2/3ページ)

 これらの不文律に違反したと認識された選手には、報復死球が与えられる。アジア選手権はDH制が採用され、投手は基本的に打席に立たないが、投手が犯した場合はチームの主力打者が身代わりに故意死球で報復されることが多い。内野手が危険なスライディングタックルを受けるケースもある。“死に体”の相手に対して紳士的な態度を取らず、侮辱したと受け取られるからだ。

 実は昨年のU-18W杯の3位決定戦のカナダ戦(カナダ・サンダーベイ)では、7-0の8回に盗塁を試みた選手がいたため、9回の先頭打者だった清宮幸太郎(現日本ハム)が報復死球を受けた。

 さらに、出塁した清宮が盗塁を重ねたため、カナダ側が激高。二塁手が清宮に暴言を吐き、地元カナダを応援していた球場全体がヒートアップ。審判からも注意が与えられるなど、日本代表の方が悪役になった。

 騒動の原因は文化の違いにある。日本の高校野球は、大差で勝っていても最後まで手を抜かず全力を尽くすことを美徳としている。

 だが、「最後まで全力を尽くす」は国際大会ではNG。日本の大会は基本的に負ければ終わりのトーナメントだが、国際大会はリーグ戦中心。敗北に対する受け止め方も根本的に異なっている。

 日本高野連の竹中事務局長は「まずは、日本での考え方と国際的な考えの違いを認識してもらうことが大事。毎年全体ミーティングで監督から周知徹底してもらっているが、今年はその時間が取れなかったので、国際大会に詳しい戸塚さんがいるこの機会に話してもらった。彼らは将来も日の丸を背負う選手たちですから、いまから国際感覚を養ってもらう目的もある」と明かした。

 今回の説明会は、プロ側からの強い希望もあって実施されたという。あるスカウトは「去年、清宮が受けた報復を見てぞっとしたよ。『まだ理解していないのか』という意味でね。ドラフト候補生が不要な死球でケガをさせられるのはたまったもんじゃない。周りの大人が気を付けてあげるべき話だ」

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