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引退危機脱出! 稀勢の里、みえた復活優勝の実現性と課題 貴乃花親方「地力をもともと持っている」 (3/3ページ)

 長期間休場した力士にとって、15日間の本場所をまっとうするのは想像を絶する重労働だ。気を張ってその場所は乗り切れたとしても、緊張が解けた途端に疲労は一気に噴出する。貴乃花親方はその怖さを身をもって認識している。今場所の稀勢の里は4日目の魁聖戦に58秒8、7日目の千代の国戦に58秒9を要するなど、大相撲が多いだけになおさらだ。

 藤島審判長(元大関武双山)は「横綱に対して失礼だけど、この1年間を考えると、勝ち越しでひと区切りついた」と進退問題の終結を示唆。貴乃花の例をみても、仮に次の九州場所(11月11日初日=福岡国際センター)で成績が挙がらず途中休場に追い込まれる事態になっても、即進退を問われる可能性は低い。

 つまり、稀勢の里は現役横綱として年を越せることが事実上決まったといっても過言ではないのだが、その後は安穏としていられるはずもない。

 日本相撲協会にとって、唯一の和製横綱である稀勢の里は集客の目玉だ。九州場所は例年集客で苦戦する。昨年は稀勢の里の横綱昇進をきっかけに爆発した大相撲人気の余韻で21年ぶりに15日間満員御礼(収容人数の80%以上)を達成したが、3日目だけは札止めにならなかった。稀勢の里がいるといないでは大違いで、九州場所前の10月の秋巡業も同様だ。

 またぞろ協会の“和製横綱依存”が高まる中、稀勢の里は貴乃花親方がつまずいた“次の場所”の難関を乗り越えることができるだろうか。

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