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【松本秀夫 プロ野球実況中継】さらば、日本ハム・矢野謙次 泥臭く闘志にあふれ、“実況映え”する男

 9月28日、川崎市のジャイアンツ球場へ行ってきました。すでにイースタン・リーグ優勝を決めている巨人・川相2軍監督へお祝いコメントを言うのがひとつ。そして、前日に今季限りの引退が報じられたある選手をねぎらうのが、もうひとつの目的でした。

 日本ハムの矢野謙次外野手(38)。オリックスの小谷野、DeNAの後藤、独立リーグの村田らと同様、相次いで今年ユニホームを脱いでいる松坂世代のひとり。

 この日のジャイアンツ球場には、普段見慣れない記者の顔がいくつかありました。私と同じ“矢野シンパ”の面々です。引退表明後初めての試合で、みんな挨拶に来たというわけ。

 矢野といえば、巨人時代は代打の切り札として人気を博しました。

 「や~の~、けんじ~、気合の戦士~」

 彼が登場するとき、東京ドームのスタンドのボルテージはいつも最高潮でした。記録より記憶に残る選手のひとりですよね。

 泥臭くてガッツが表に出る、いわゆる“実況映え”のする選手であり、やんちゃな一面も。

 「彼を叱るときは気をつかったよ。間違っていると思えば食ってかかってきたから。でも、ちゃんと説明してやれば素直に聞き入れる。ハートのある男だよ」とは巨人・内田順三2軍打撃コーチ。おそらくそんなハートがファンの心をつかんだのでしょう。

 「巨人軍は紳士たれ」

 球団創設以来のモットーが培ってきた巨人の典型的な選手像に、彼はある部分あてはまらなかったのかもしれません。

 でも彼の持つ“熱さ”こそ、いまの球界に求められているものじゃないかな…と思うのです。

 謙ちゃん、本当にお疲れ様でした。(フリーアナウンサー・松本秀夫)

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