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【江尻良文の快説・怪説】世代交代vsベテラン復帰 「不文律無視」監督交代劇の行く末は…

 クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズという球界最大のイベント終了までは監督交代人事は封印-そんな不文律を無視した今年の監督交代劇。さらには世代交代推進派vs実績あるベテランの熟年復帰という、対照的な人事が断行されている。

 4年連続V逸という球団ワーストタイ記録を作ってしまった巨人は来季背水の陣。2度の監督生活でリーグ優勝7回、日本一3回の原辰徳氏に3度目の登板を要請して5年ぶりのV奪回を期す。43歳の高橋監督から還暦の原新監督へ、世代交代には逆行する実績最優先の人事だ。

 来季に14年ぶりのリーグ優勝を目指す阪神は、50歳の金本知憲監督から同世代の盟友・矢野燿大2軍監督にバトンタッチする。2005年にリーグ優勝している岡田彰布氏(60)の再登板、猛虎党から絶大な支持を得ている掛布雅之氏(63)の新監督就任は実現しなかった。

 63歳の森繁和監督から52歳の与田剛新監督(前楽天2軍投手コーチ)に交代する中日は、単なる世代交代にとどまらない。ファンが待望していた“中日OB”監督復活という一面もある。

 落合博満氏が監督として結果を残して以降、生え抜きOBが監督を務めたのは高木守道氏の2年間だけ。谷繁元信→森繁和と再び“外様”政権が続いていたことに、竜党が不満を募らせていた背景がある。

 パ2球団の監督交代も、世代交代推進派vs実績あるベテランの図式だ。シーズン途中に梨田昌孝監督休養の後を受け、ヘッド兼打撃コーチから監督代行となり、来季監督に決まった楽天・平石洋介は38歳の若さがセールスポイントだ。

 一方、ヘッドコーチから昇格したオリックス・西村徳文新監督は58歳と20歳も違う。「人生100年」ともいわれる超長寿世界の日本で、どちらが勝者になるのか。来季の見どころの一つになる。(江尻良文)

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