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【艇王・植木通彦 不死鳥伝説】事故の不安でじっとしていられず…搬送中にフライングの確認 30年前の衝撃事故 (1/2ページ)

 顔面から大量に流血しているので、レスキュー艇は急いで緊急ピットに向かい医務室で応急処置、救急車で病院に向かいました。後で医務室では『鼻はありますか?』などと私が聞いていたと関係者から聞きました。

 直ちに手術できる病院に搬送となりましたが、当日は休日なのでボートレース桐生から少し離れた前橋市の前沢病院に搬送されました。

 その途中の救急車の中で、私は『今のレースはフライングではなかったですか?』と確認を求めていました。レーサーはフライングすると事故点が累積され、その事故点によってはクラス分けで降格させられるので聞いたのでしょう。成績が上昇していたころなので気になったのだと思います。早いスタートでしたが、フライングではありませんでした。

 救急車で運ばれているのに何でそんなことを聞くのか、引率者や関係者は、私の発言に驚いたと思います。目が全く見えていないので自分のケガの状況を自分が一番分かっていなかったのと、大変な事故という不安からじっとしていられなかったからでしょう。

 病院到着後、直ちに緊急手術となりました。手術台であおむけになった瞬間から鼻の穴に血が流れ込み、口でしか呼吸できない状況でした。チューブのようなものでのどに詰まる血などを吸引しながら手術が行われていました。のどに何か詰まると死ぬなと、この時恐怖を感じたのを今でも覚えています。ただただ先生たちを信じて頑張るしかないと思うだけでした。結果的に75針もの縫合手術は成功しました。

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