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【艇王・植木通彦 不死鳥伝説】なぜ「モンキー」だったのか 命を懸けて走る先輩レーサーに認められるに必死で考えた結果 (1/2ページ)

 前回、モンキーターンによるSG初制覇などについて書きました。今回はなぜモンキー姿勢を取ろうとしたのかを書かせていただきます。

 当時のボートレース界は、レーサーの実力差がかなり大きかったと思います。現在のように憧れのレーサーのレース内容を容易に見ることもできません。うまくなるには、練習を積み強くなってスターレーサーと同じグレードのレースに参加し、実際にレースを見て、空気と匂いを肌で感じ、目に焼き付けなければなりませんでした。

 現在は情報の発達により容易にスターレーサーのレースを見ることができます。しかし、映像では、その前後が分からないためなぜそのようなターンの仕方をしたのか、プロペラの調整方法やその時の雰囲気などを把握することは難しいので、想像するしかありません。高度化したレース内容を新人レーサーがそのまままねると、転覆したりキャビテーション(失速)したりすることが多分にあります。なぜ先輩はできるのに自分はできないのかと悩む新人も少なくありません。

 最高峰のプロレーサーが難易度の高い技術を容易にやっているように見えるのは、どんな状況下でも基本的なことができる能力を身につけているからではないかと思います。新人レーサーは、失敗しながら早期に基本の大切さに気付き、そこで一歩前に進めるかどうかが、その後の活躍を決定づけると思います。

 当時の先輩のスターレーサーたちの層は非常に厚く、レース内容には言葉を失うほどの雰囲気、熱意、気迫などを感じました。命を懸けているというイメージが今でも記憶に残っています。

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