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高橋大輔、世界選手権辞退 「32歳の僕に先の希望はない」後輩に枠譲る レジェンドの身の処し方と本音 (2/3ページ)

 ところが、SPの貯金が効いた。「まさかの2位。正直驚いている」は偽らざる本音だっただろう。

 大会終了直後、連盟から世界選手権の代表入りを打診されたが、固辞。3枠の男子代表には、今大会優勝の宇野昌磨(21)、3位の田中刑事(24)、右足首負傷のため欠場したものの実績十分の羽生結弦(24)が選出された。

 高橋も「全日本選手権3位以内」の内規をクリア。実際に世界選手権に出場するには、来年2月の国際大会に出場し、国際連盟が定める最低技術点(SP34点、フリー64点)を取る必要があったが、それも大きな問題ではなかった。

 羽生の“おっかけ”が熱狂的なことで知られるが、その前に女性ファンの圧倒的な支持を得ていたのが高橋だ。現在でも幅広い年齢層の女性から支持を受ける“元祖アイドル”。スケート連盟にとっては、国内開催となる来年3月の世界選手権を興行としてとらえた場合、高橋は大きな魅力だ。

 ファンからは「世界の舞台で戦う大ちゃんをもう一度見たい」という意見が強く、スケート関係者からは「世界の頂点をまた目指す気持ちで復帰するならともかく、都合良く出たり辞めたりはいかがなものか」などという意見もあった。

 しかし、高橋は「選ばれるなら行きたいのはやまやまだが、世界と戦う覚悟が持ちきれなかった」と首を縦に振らなかった。

 高橋が現役復帰を正式に発表したのは7月。8月には右脚内転筋を肉離れし、復帰計画は大幅に遅れた。4回転トーループの練習を再開したのは、今大会のわずか2週間前という突貫工事だった。

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