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【神谷光男 スポーツ随想】五輪野球、東京限定“ご祝儀開催” 出場6カ国に「まるで公開競技」との声も…

 来年の東京五輪で3大会ぶりに復活する野球・ソフトボールが、たった1大会だけで次の24年パリ五輪では早々と落選が決まった。

 開催都市枠で提案する追加種目に空手とともに選ばれず、東京大会から初採用となるスケートボード、スポーツクライミング、サーフィンは候補に残った。

 もう一つの候補は昨年の夏季ユース五輪で実施されたブレークダンス。若者の五輪離れを気にする国際オリンピック委員会(IOC)に忖度しているのか、パリ組織委員会のエスタンゲ会長は「4つの追加候補以外を新たに選ぶことはない」とピシャリ言った。

 もともと、ご祝儀で東京五輪に加わった感じの野球は苦戦が想定内。「長すぎる」との批判に対し、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が試合時間短縮ため一部の国際大会で7イニング制を導入するなど改革をアピールしてきた。

 しかし、野球は欧州ではまったく人気がないうえ、IOCの意向に沿ってコスト削減を目指しており、大会後の有効利用が見込めない野球場の新設は難しかったようだ。

 「フランスの連盟は新設がだめなら、改築などできる限りアピールしたようだが、結局欧州生まれの五輪で野球は異端児で相手にされなかった」と関係者はみる。

 東京五輪の野球は、追加競技の選手枠制限で出場国はたった6。はじめから入賞が決まっているという変則開催で「まるで公開競技みたい」との声も聞かれる。

 「28年ロサンゼルス五輪ではまた復活できる」との楽観論も聞かれるが、ロスにはアメリカンフットボールという“強敵”がいる。前途多難というほかない。(作家・神谷光男)

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