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稀勢の穴は貴景勝が埋める!「持てる力を出し切れた」

 ■エディオンアリーナ大阪 初日(10日)

 わずか2秒4。大関とりに挑む関脇貴景勝(22)は、立ち合いの強烈な当たりで妙義龍を起こすと、いっぺんに押し出した。会心の白星スタートに胸を張って花道を引き揚げるとき、気の早いファンから「大関!」との声もかかったほどだ。

 「持てる力を出し切れた。でも、普通」と笑顔一つ見せるでもなく振り返った。めったに変わらない表情から内心を読み取るのが難しい力士。審判長として土俵下で見守った藤島審判副部長(元大関武双山)は「大事な場所の初日。内心はドキドキだったと思うが、自分の相撲に集中していた」と合格点をつけた。

 2月3日に始まった春場所のチケット前売りは、3年ぶりに即日完売ならず。「やはり稀勢の里の引退の影響か」と関係者は気をもんだが、ふたを開けたら当日券はアッという間になくなり相変わらずの大入り満員。

 「相撲というのは本当にうまいことできていて、人気者が去っても、必ず穴を埋める力士が出てくる。それが貴景勝だよ」とある親方はいう。

 兵庫県芦屋市出身で“準ご当所”。無愛想でとっつきにくい風貌だが、イベントで赤ん坊を抱いた顔が「かわいい」と女性ファンも急増。同じイベントで「私をお嫁さんにしてもらえますか」と、女児から超ストレートの質問が飛ぶと、「10年後にまた会いましょう」。当意即妙の受け答えで頭の回転の速さも披露した。

 初日白星発進に気持ちも乗った。「声援が大きいのはうれしい。せっかく見にきてくれたファンががっかりするような、恥ずかしい相撲は取れない」。一気にゴールまで突っ走りそうな気配だ。